第87話 アニメじゃない!

とある有名武将についての話題をテレスが切り出してきたのには訳があります。

その武将の名前はかつて第一次言論大戦でデンゲル人が抹殺しようとした歴史的英雄でした。


言論大戦から数十年たち、その武将の名前はデンゲルでもひだまりの民の間でも忘れ去られようとしていましたが、インテリのテレスは知っていました。

「この名前が出たらことは穏やかにはいかない可能性がある」


彼のニュアンスはやめてほしいという感じでした。

ヒキコモリーヌとコウメイはそれぞれとある有名武将について調べました。

その武将は今から500年前にデンゲル人と戦い、歴史的勝利をおさめた英雄であり、ひだまりの南端で勢力を誇った偉大な人物でした。


コウメイはこれだ!と考えました。「この人物を宣伝し、対デンゲル人に対する旗頭にしよう」。


ヒキコモリーヌも賛同しました。「デンゲル人に対して言論が封鎖されている以上誰かを旗頭にする方法が有効よ、ただ今の人物ではいずれデンゲルにつぶされてしまうけど、歴史上の人物ならそうはいかないものね」


テレスはこう言いました。「アニメで世論を喚起するなんて聞いたことがない、そんな方法でうまくいくだろうか」


コウメイとヒキコモリーヌは口々にいいました。「アニメじゃない!本当のひだまりの歴史だ」

こうして、テレスが押し切られる形でとある武将のアニメ化を応援する力強い味方が生まれたのでした。

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