第72話 有力武将のアニメ化とは?

さて、地元の有力武将のアニメ化とはどのようにすればよいのか。

わっしょいざえもんとしては、雲をつかむような話でした。

ネットで調べてみるといままで地元の有力武将がアニメ化されたことはありませんでした。


これはある意味不思議でした。

なぜならその武将と同じ時期に活躍した武将は戦国時代という人気ジャンルのせいか軒並みアニメ化されているのに不思議と自分の地域の武将はわざと仲間外れにされているかのように感じたのです。


さらにネットで調べてみると穏やかならない噂が書かれていました。

それはデンゲル人がこの武将と関わっていて彼をネット上から亡き者にしようとしているという噂でした。


デンゲル人は以前説明しましたが、もう少し詳しく説明しましょう。彼らは自分たちを間違いのない神のように思いひだまりの国の人々を見下しています。

その原因は約100年前の戦争でひだまりの国がおおきなダメージを受けた時に自分たちが戦争に勝ったと思い込んでいることに端をはっしていました。


その戦争から遡ること数百年前に地元の有力武将がデンゲル人を打ち破っていました。

このことが彼らがネット上で亡き者にしようとしている理由であることが公然の事実でした。


しかし建前上はひだまりの国には言論の自由があったので完全な封殺はできない、そのような状況であることを彼は理解しました。


「でも、そんなの関係ねえ」わっしょいざえもんはそのことを無視しました。彼はしろのしろ市のコミケ会場に行き、何人かの野生の小説家(アマチュアともいう)と意見交換をし、かねみだけ酒造の会長の話をしました。


すると、面白いということで数人の小説家が連合を組むことで話がまとまりました。


具体的には

1、有力武将をアニメ化するための原作小説をしろのしろ市を中心とした有志で作り上げること。


2、その時の情報は出来る限り共有すること。


3、個人で書いても連名で書いてもよいとすること、ただし後でもめないようによく当事者同士で話し合いをし、それでもまとまらない時は連合内での総意をそんちょうすること。


4、面白くする点では自由であるが人を中傷した表現は控え、スポンサー(かねみだけ酒造など)に迷惑をかけないこと。


といった取り決めがとりあえず決まりました。

こうして彼らは原作となる小説を書き、わっしょいざえもんはこのことをかねみだけ酒造の会長に報告することにしました。


こうして、アニメ化とはないぞやという段階からアニメ化するために何をするかまで具体化できましたが、その道はまだまだ遠いものでした。

さて、そのころ軍師コウメイは必死にネットで戦っていました。次は彼の活躍を追ってみましょう。

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