第6話 急がば回れ,己を知ろう(やる夫とニコニコ)
「出来ることを学ぶ」祭り之介の思いはその言葉に集中していました。
フウイはつぶやく「これから2つの質問をする、どう答えるかな」
一つ目は島津義弘を大河ドラマにする理由は何か。2つ目は地元でどのように誘致運動を進めるか。
祭り之介は答える。1つ目の答えは地元の活性化のためです。
2つ目は地元の役所や商工会に話をもっていくことです。
フウイはこの答えをコモロウに伝え、意見を求めた。
コモロウはつぶやく。「どちらもパンチが弱いというか私にはひびかないのよね」
この意見はフウイの分析と方向性の点で一致していました。
コモロウは続ける。島津義弘や島津のことを知らないと興味がわかないのよね、それと役所や商工会も何か手ごたえがなければ動くにも動けないんじゃないかしら。
フウイにとってこの意見は自分の考えに近くかつ有益な情報でした。
情報戦の基本中の基本彼を知り己を知れば100戦危うべかららず。
最後にコモロウはこうつぶやいた「島津義弘であれ島津であれまずキャラだてがないと話にならないわね」
キャラたて、別の表現をするならば知らない人がこれを聞いてこれが島津だ!と頭に響くような情報が必要だ、それも沢山。
彼はネットから調べてみたが、その時きづいたことがありました。
織田、徳川といった有名人はもちろん立花宗茂や伊達政宗などとくらべても資料の量が少ないのです。
コンテンツの人気自体は決して見劣りしないがこれは意外だった。
それでもいくつかを目に通していきました。
たとえば、やる夫という歴史小説シリーズから「やる夫は島津四兄弟の次男のようです」、ニコニコ動画から【立花宗茂】時雨が戦国武将になったようです【MMD艦これ】そして島津の教育を知るため島津義弘の祖父の島津忠良によるいろは歌等を読み分析していきました。
この時特にフウイの気を引いたのはいろは歌であった。彼はこの教育の手引きとなる本が孫子韓非子と似た側面を持っていて、人を教えるにも行動に駆り立てるにも極めて有益と感じていました。
フウイは祭り之介につぶやく「いにしえの 道を聞きても唱えても わが行いにせずば甲斐なし」、昔の立派な教えを耳にしても唱えても、行動に生かさないと意味がないよといういろは歌の最初の1首です。
フウイは祭り之介に問うた。
君は島津のあるいは義弘公の何を知り何をおこなうつもりだい。口下手な祭り之介は言葉に窮した。実は大河誘致の地域活性化は夢見てもこの質問に対する答えは用意していなかったのです。
フウイは穏やかな文章でつぶやく(彼をしり、己を知る良かったじゃないか、先が見えてきて)祭り之介はなぜか不思議な安堵感に包まれていました。
(次は番外編となります)
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