第14話 入り日の岩島
スイジニの神とウイジニの神は、島々を訪れると、熱心に
島々は緑に包まれるようになり、各地から人々が集まって生活した。どの島も暖かく凌ぎやすかった。スイジニ、ウイジニが最も頼りにしていたのは、島々の早瀬を渡るワタツミ衆であった。たくさんの島と島を行き来するうちに、瀬戸の潮の流れは、ワタツミ衆の身体に浸みついていった。
スイジニ、ウイジニといつも一緒であったのは、
スイジニは
スイジニはウイジニと一緒にいるときは、いつも
潮が引い時に石を積み上げて
しばらくすると、海面に浮きあがってきて、石を放る場所を示す。すると。また、
一本の
二人の
ここまで来るとしめたものである。山津見は丸太に結いつけられた
丸太は、ゆっくりと海中に沈んでゆく。柱が真っすぐ立ち上がった時には、もはや何人の手にかかっても動くことはない。こうして二本の
後は、
ある時、
高台の上に登ると瀬戸の海と島々が一望出来た。いつも見る光景ではあるが、入日の方向に大島、その島影の向こうには、大神の島、大御島が見えた。やがて日沈む時を迎えていたが、
この時期、入日は
それまでは気づかなかったが、入り日は
そこは、闇の世界の入り口であり、その向こうには恐ろしき闇の海が広がっていると、皆々は信じて疑わなかった。
「
「今すぐに、入日を追いかけよ。闇が迫る前に早瀬を渡れ。」
「すぐに船をだせ。あの入日を追うのだ。」
すると、
「
沈みかけた夕日は、まもなく水面にその影を落とそうとしていたが、
「漕ぎだせぇ。」
「大きな
「皆の者よ、ここは、闇夜の入り口ではないぞ。それ、まだあの空の向こうに夕日に映える島々の影が見える。」
乗り組みの者全員が、
「うぉう、うぉう、うぉう」
みなは、
「ここは、入り日と上り日の境目なり。明日は、日が登る前に大島に上陸しよう。」
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