(2)ふたり神の誕生
第11話 すいじにの神、ういじにの神
次の年、
「
「以前の
「わが里に、
「それはよかった。だが、そんなに急がなくてもよい。瀬戸の海は広い。一つ一つ、島を拓いて行けば良いのだ。どうだろう、
あめ族とつち族では考え方もしきたりもまったく異なるのである。ましてや、ここは瀬戸の海である。彦神が簡単に受け入れられるはずがない。
つち族は月に一度、新月の火祭りに男女の交わりの
年頃の姫が身ごもれば、姫神は出産の段取りを行い、里の女衆は、子供から年寄りまで、みなが協力して準備をする。なにしろ、母子共々が元気でいられるのは、
だが、
「
「だが、思ってもみよ、つい先ごろまでは、一族の亡びる姿しか考えられない
「われら、
「
阿波姫は、幾代にもわたる姫神の血筋である。彦神を迎えると言われても、どのように迎えればよいのか不安であった。
「毎日、海、山に出て、宇迦を取るのも男ハバキの仕事ではあるが、土を耕し、種を植えて収穫するには、「あめつち」に
「それぞれの働きを認めよと仰せですか。だが、命に勝るものがこの世にありましょうか。」
「その通り、命あっての
「
阿波姫は、
「あめつちの定めに従いましょう。われ、瀬戸の早瀬を渡り、島々に
こうして、二人は、比古次の神の前で、互いに結びの誓いをたてて、最初のふたり神となった。
「なんじら二柱の神、この新しき「わたつみの淡路の宮」にて、初めてふたり神としての契りの誓いを行った。あめのみなかぬしの神、たかみむすびの神、かみむすびの神の御前にて、末永く、その名を讃えられるであろう。これより、
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