第6話 夏至祭
浜辺に倒れていた
皆々は、
五人は、意識を失ったまま七日過ぎたが、八日目、ようやく
「
疲れた顔で
「目を覚ましてくだされ、われの命と引き換えに、この世にお戻りくだされ。あめのみなかぬしの神、たかみむすびの神、かみむすびの神にお願い申す。」
曽良は、必死で
「あの日の空の青さ、雲の白さ、波の寄せる音に、つい心を許してしまった。早瀬の海を渡ったのが間違いであった。」
祈る言葉に涙があふれて、言葉にならない。
「もしも、このまま、
「
その思いが通じたのか、それから十日の後、
「
「
「あめつちの神々よ、ありがたきかな。もはやわれの命は
「曽良よ、覚えているか。
「覚えておりますとも。たしかに、われら
早速、
「皆々、よくも元気に命を取り戻してくれた。今宵は、年に一度の夏至祭である。
祭りの準備をしていた皆々が、
「海の幸、山の幸を持ちより、
「おおっ、おおっ」
その夜は、久々に皆の顔に喜びの笑顔が戻っていた。
すでに、木を切って
いよいよ、祭りが始まった。暮れ行く夕日に向かって、
そして、北に向かい、あめの神、
日が暮れると、真っ暗なあめつちの中、浜辺に寄せる波の音だけが際立っていた。沖より小舟にひとつの
浜に揚がった
二つの松明は、十歩ほど前に進んだ。そしてまた、左に五十、右に五十の火が灯った。次第に祭壇の近くにやって来た松明は、祭壇を右と左に回って奥の暗がりに入った。
真っ暗な闇の中で、松明が交わった。その時、火が立ち昇った。空高く、一気に火が立ち昇った。
「おおっ」
「おおっ」
「おおっ」
それぞれの顔が、立ち上る火焔に照らされて、喜びと希望の笑顔を映しだしていた。あたりは、たちまち明るくなった。
「
皆は立ち上がり、お互いに顔と顔を突き合わせて、喜びを隠さなかった。この時、
「この地は、われらが
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