探索

街の探索から3日が経った。







結論を言うと、やばい。

3日間まともな飯に会っていない。というか飯食ってない。川の水だけが頼りである。

下水とか混ざってなくてほんと良かった。何もしないと人間3日で死ぬしやばかったかもしれない。


職という職にも会っていない。道端でなんか面白いことやれば多少は金が集まるかと思っていたが材料すらないのだ。化学の知識は残っているので炎色反応とかやろうとも思ったがその材料もない。ナトリウムは塩集めりゃいいけどリチウムとかカリウムなんて無理。


それでも何も得なかったわけじゃない。

待については多少分かった。

・この街は結構大きい

・街を2分するように広めの川がある。

・国かなんかのお偉いさんが仕事する所、

金持ちが行きそうな学校、賑やかな商店街、高級住宅地、一般住宅地、軍らしき組織の基地、あとスラムがある。

因みに、俺の寝床(地面に草であんだ毛布ならぬ草布)はスラムの端っこ、一般住宅地との境目にある。

どうやらスラムにも階級みたいのがあり、よそ者が入ると面倒なことになる(俺もそれを知らず入った時はスラムの奴らと鬼ごっこになった)。


そして何より明日のことを考えると憂鬱になる。

道端で何かやって稼ぐことは不可能に近いと分かったのでどこかに雇って貰うしかない。

だが、街を歩き回る限り、まともなとこは素性を言わんと無理だろうし、ましてやスラム出の人間が信頼されるかどうか。

スラムの人間でも雇ってくれるところは奴隷のようにこき使われていたのでやはり嫌だ。



あと2日まともなとこで雇ってもらえるか調べて無理だったら奴隷を考えるか……

いくら奴隷と言っても不味くて汚いだろうが飯と寝床は与えられるはずだ。今よりはマシなはず……

なんて嫌な事ばっか考えていると、



「あの〜、3日ぐらい前からずっとそこいますが、どうしたんですか?」




見上げるとそこには女神、訂正、女の子がいた。


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終わったはずの世界で、今 ふぁるこん @falcon782

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