状況確認
目を覚ますと液体の中にいる。どうやら円柱型の水槽の中のようだ。
まずは体に欠損がないかの確認。前に本で読んだことを思い出す。
体を動かす限り、異常なし。腕や足がないってことも無さそう。するとどこからか
ピッ……
という音がした。
まずい、誰かに見つかったかも、さっき動いたのが悪かったのかな……なんて考えているといきなり水槽のそこが抜けた。
バシャーー、ドンッ
「いてて」
腰を擦りながら周りを見渡す。水槽の中からよりよく見える。
無駄に広い部屋に埃を被った木製の机、至る所にある蜘蛛の巣、穴が空いた紙、虫にでも食われたのだろうか。
そこは正にボロ屋敷だった。
ボロ屋敷には使えそうな物もなかったしクローゼットにあった適当な服だけ頂戴して後にする。何故かそのクローゼットの中だけは新品同様だった。紙には何か書いてあったが内容が理解できなかったので持ってきてない。コマンド66って何だよ。
屋敷から出るとその屋敷はなく、別の建物になっていた。俺が出ると消えちゃうのか。不思議なもんだ。
これまでをまとめると
あの悪夢は自分の記憶or洗脳
建物が消えたということは俺は少なからず良い者には思われていない。
本や紙、机など知識はあるが起きる前の記憶が無い
ってところ。
こんなことでうだうだしてても意味ないしお金も持っていない。寝る場所はぶっちゃけどこでもいいが水と食料は必須。
「何かしらありゃあいいけどなー」
俺はこの街の探索を始めた。
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