第10話
そして何故か、彼女は今この屋敷に住んでいる……。
レオンは、目の前で美味しそうに料理を頬張るあゆみを見て、軽いため息をつくのであった。
当の本人はもぐもぐとお肉を食べているだけだし……全く、先が思いやられるよ
レオンは自らの手を止めて、あゆみの顔を見る。
彼の視線に気が付いたあゆみは、首を傾げて無言で問いかける。
なお、その間にもあゆみの手は止まることを知らない。
「とにかく、君」
「ふぁひゅみひょ(あゆみよ)」
「……あゆみ、僕の家にいるからには何もどこからも盗んじゃ駄目だからね? わかった?」
あゆみは1度大きく咀嚼する。
ごくん。
「はいはい」
しかし、あゆみの視線はすでに次の料理へと注がれている。
「全く、ちっとも話を聞いていないじゃないか……」
笑顔で食事するあゆみとこれからの未来を憂う西園寺レオンの様子を静かに眺め、榎本は1人微笑んだ。
なかなか、楽しい毎日になりそうですな……。
こうして、2人と執事の愉快な毎日が始まったのだ。
紳士と黒猫 高殿アカリ @akari_takadono
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます