第136話
「それはもはやそなたが、一番に理解しておりましょう?そなたの神気は、見紛う程に高うなられておいでです」
「はい。今上帝の思いが強ければ強い程に、私の神気は高まります」
「そして、それと共にそなたは美しい……。ゆえに私は欲を持ったのです。そなたの子を抱きたいと思ったのです、あの上皇様に最もよく似た今上帝の御子を……」
「はぁ?お母君様?」
「ゆえに私の我儘と、申しましたでございましょう?あの皇太后が、上皇様の孫を抱けるのです。私とて抱きたいではありませぬか?」
オホホ……と、お妃様は高笑いをされて、呆れ顔の神楽の君様をご覧になられる。
「お母君様……私は真剣に……真剣に、女神となるつもりでおりましたものを……」
「なんと?女神となりて、御子を頂いてくれますか?」
「……それは、主上の蒼が望みますれば……でございます」
「なんと?……蒼は望んではおりますまい?あれはかなりの依怙地であるからな、そなたのそなたなるそなたを追求致す程の者です」
お妃様はそう言われて、大きくため息をお吐きになられた。
恋愛初心者の神楽の君様に、そのなんとも小難しい物言いの、何たるかがご理解でき様はずもない。
「……まっ、致し方ない……何はともあれ、摂政の娘は確かに皇后だけでよいか……と言うても、勝手にちょこちょことやられても面倒ゆえ、私からに阿弥陀如来に釘を刺しておきましょう」
「それはありがとうございます。これで皇后も目を覚ましましょう」
「はて?そなた、皇后がああなのは、祕導師の所為と、真に思うておいでなのですか?」
「……それしかございませぬ」
「ほうー?」
お妃様は少し身を反らされて、それはそれは感心するご様子をお見せになられた。
「
それはそれは大きなため息を、お吐きになられた。
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