手紙
アサノ アメミ
第1話 私が埋めてあげる
私があなたにないものを埋めてあげる
だって私はあなたにないものを全部持っているから
明るさも、ふくらみも、包み込むあたたかさも
寂しそうな眼と私の眼が絡みついたあの一瞬を目印に今日も私は生きている
色のないあなたの世界を彩りたいわけじゃないの。
漆黒の眼に光を放ちたいわけじゃないの。
寒さに震える闇夜を温めたいわけじゃないの。
叫びたくなるこの世界に平和を作ろうなんて思ってない
あなたがまたいつか絶望したって
一歩も動けなくなったって
私を殺してしまっても
なんの文句もない
ううん、文句なんてはしたない言葉私は大嫌い
あなたが女の子の髪を撫でても、見せつけるようにキスしてもかまわないわ
私がもっているあなたへの感情にはしたないものなんてないの
求めれば与える
世界を変えてほしければ変えてあげる
暖かさが欲しければぬくもりをあげる
平和に安穏としたければ天国をあげる
でもあなたが求めなくても私は愛しつづける
気づかれなくても、きっとこの熱と色気はあなたに届いてるはず。
だから私とあなたは眼が絡みついたのよ。ねっとりと、べったりと
手紙 アサノ アメミ @tsubaki-yanai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。手紙の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます