「台湾‐2 型アクセント」台湾語の中にある日本語からの借用語のアクセント

 日本が植民地支配していた関係で台湾語には日本語からの借用語が多く存在するが、アクセントの位置が元々の日本語の単語と異なっていることが多い。


 例えば「アルミ」は日本語ではLHHだが、台湾語ではa-lú-mih、「兄貴 HLL」はa-ní-khihという具合に真ん中の部分が高くなっている。

 これの原因について調べてみたが、陳冠霖氏の論文「台湾における日本語「‐2 型アクセント」の生起の要」で指摘されているように、台湾語の連続変調と関係あるように思う。


 みなさんご存知の通り(謎)、台湾語には連続変調があるため、一声+一声と並んだりすると前の部分の声調が別の声調(この場合七声)に変わってしまう。

 例 燒燒(sio1sio1)は実際にはsio7sio1のように発音され、日本語母語話者的にはLHのような感じに聞こえる。


 つまりa-lú-mih(アルミ)、a-ní-khih(アニキ)とか書いてあって、最初の部分は本来一声+二声であるが、実際の発音としては七声+一声になるようで、確かにそうするとLHLのように聞こえる

(https://en.wikipedia.org/wiki/Tâi-uân_Lô-má-jī_Phing-im_Hong-àn

 ウィキペディアを見る限り後ろの-hは声門閉鎖音らしい。khihはおそらく四声で、末尾にきているので変調はなく、陰入(˧ʔ、3ʔ)ということで、要するに前の部分(二声)よりは低くなる)


 a-móo-ní-á アンモニア

 a-sír-phí-lín アスピリン


 後ろの部分が二声(普通話の第四声のような下がる声調)が連続するが、二番目・三番目の音節と最終音節で変調のため声調が異なる。

 実際の声調としては7-1-1-2で、LHHF(Fは下がる意味)のように聞こえる


 bai-óo-lín バイオリン

 ba̋i-khín バイキン(黴菌)


 元々のアクセントは平板であるが、これらもバイオリ\ン、バイキ\ンのように最後の「〜ン」で下がっているように聞こえる。最終音節の声調はいずれも2である

(実際には一つ目は三音節、二つ目は二音節語)

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