河野外相の偽中国語を真面目に分析

 以前、河野外相がツイッターで「八月二十二日日程。同行記者朝食懇談会、故宮博物院Digital故宮見学、故宮景福宮参観、李克強総理表敬、中国外交有識者昼食懇談会、荷造、帰国。」と偽中国語で呟いたのが中国のネット上で話題になっていたようだ。


「八月二十二日日程」


推定訳:八月二十二日の日程


 これはそのままである。


「同行記者朝食懇談会」


推定訳:同行記者たちと朝食をとりつつ懇談会をした。


 最初の「同行記者」の部分が「同行記者と一緒に」という意味なのか分かりづらいが、これもそこまでは難しくない。


「故宮博物院Digital故宮見学。故宮景福宮参観」


推定訳:故宮博物院でデジタル故宮を見学した。故宮の景福宮も参観した。


 「デジタル」を中国語で言うのが難しかったのだろう。「見学」も中国語にはないが「参観」は一応通じるので(語順が入れ替わってはいるものの)これで文の意味は問題なくくみ取れるはずだ。


「李克強総理表敬」


推定訳:李克強総理に表敬した。


 この辺も中国語で使い方は同じである。


「中国外交有識者昼食懇談会」


推定訳:中国外交有識者と昼食懇談会をした。


 「昼食」は中国語では「午饭」だが文脈で推測できる範囲内だ。


「荷造、帰国。」


推定訳:荷造りして、帰国した。


 実はこの「荷造」が最大の問題である。中国語では「荷物」は「行李」というので、「にづくり」という和語を漢字表記しただけでは通じない。「帰国準備」とかなら中国人にも理解できたのでは。


総評:偽中国語ではあるが、全て新聞の見出し語のような目的語+動詞という形式をとっているおかげで大変読みやすいと思う。

 このような書きかたをすれば、おそらく日中両国民にとって読みやすい偽中国語が作れるのではないだろうか。

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