舌尖上的中原

豆沙(dou4sha1) 「中国のあんこは甘くない説」はデマ説

 「舌尖上的中国 2012年から2015年にかけて中国で人気を博したグルメ番組」に乗っかってこんなタイトルにしてみた(古いナー……)。中国で「吃货 chi1huo4 グルメ、英語でいうfoodie」という言葉がもてはやされるようになったのはこの頃か。


 先日、中国の食べ物に関する記事を書いた際、河南人の友人から「豆沙 dou4sha1」に関する記述が間違っているという指摘を受けた。


 以下、原文(東北人の友人に豆沙について尋ねた時に得られた返答を改変して引用した)


『「あんこ」ないし「小豆餡」。中国には「豆沙 dou4sha1」という見た目ソックリなものがあるのだが、これが甘くない。中国の東北部には「黏豆包 nian2dou4bao1」というお菓子があって見た目は日本の饅頭のようで中に粒餡が入っているのだが、それ自体では甘くないので砂糖をかけて食べる』


 これを読んだ彼は「豆沙は日本のあんこと全く同じで甘い。百度百科にもそう書いてある。『月餅』でも何でも、そもそもデザートなんだから甘いに決まってる」と言い切った。

 実際に百度一下してみた。

 どれどれ、「豆沙(bean paste)とは、一般的に红豆沙 hong2dou4sha1(小豆あん)のことを指す。作り方は小豆を水に浸した後にて煮込んで潰してペースト状にし、油や糖蜜(シロップ)または薔薇油などを加えて均一に混ぜられた甘いペースト状の食品である。红豆沙は、例えば豆沙月餅など、よく点心の餡として用いられる」とある。

 確かに彼の言う通り、中国の月餅も五仁月饼 wu3ren2yue4bing3などを除いて甘い。しかしこれを受けて、最初に東北人の友人にもう一度「豆沙は一般的に甘いものを指すのか?」尋ねたところ、やはり彼は「その限りではない。北方では味のない食品も多い」と答えた。

 そんなわけでグーグルで再び日本語で調べてみたが、中国のあんこが甘くないと嘆いている甘党の日本人も結構見受けられ、私には結局どちらが正解なのか分からない。


 これは私の推測だが、

 ①中国のあんこにも砂糖は入っているが、日本のあんこと比べると甘くない。日本人は何にでも砂糖入れすぎ。

 ②北方のあんこは本当に甘くないが、その他の地域のあんこは日本と同じく甘い。

 ということだろう。ま、中国も広いし地域差が大きくて一概に言えないのかも。粽子(zong4zi0 日本でいうちまき)も北方と南方で甘いかどうかで論争が勃発するが、これもそういう話?


 誰か教えてくれー。

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