高齢者の5人にひとりがゾンビと化すようになった日本。その新たな天敵による災害へ対するのは自衛隊や警察ならず、プロフェッショナルの市民団体である。生物学を専攻する大学3年生・平林義昭は、夏休みを利用して被災地ボランティアへ赴き……ゾンビ殺しのプロたちに見いだされた。
設定、いいですねぇ。ゾンビは戦闘力高いだけじゃなくて感染力まで持ってる、絶対倒さないといけない敵です。でもゾンビの見かけは高齢者そのままで、もともとはどなたかのご家族。感情、倫理、法律、あれこれが絡みあった末に市民団体が仕末を請け負うようになりました。これを端的にまとめられる構成力はすばらしいのひと言。
加えて主人公の義昭くんは目の前で、ゾンビ化した祖父を市民団体に処理された経験があるわけです。そんな彼が対ゾンビの最前線へ行く――ドラマが生まれないはずがないんです!
筆力、ネタ力、構成力、どれも文句なしで期待値も激高。これはもう推さずにいられません!
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)