第9話 ハロウィン

 私の自室にて。


 今日はハロウィンの日だ。


 ハロウィンといえばコスプレ。私はかわいい格好をするのはわりと好きなので実は毎年楽しみにしていたりする。


 特に今年はシロ先輩のコスプレが見られるということで、楽しみすぎて昨日は寝れなかった。


 去年のハロウィンはシロ先輩、家の事情とやらで一緒に楽しめなかったからなー。まあ代わりにむっちゃんのミイラ姿を堪能したんだけど。シロ先輩といいむっちゃんといいスタイルがよくてほんとうらやましい。


 ちなみに私は毎年猫娘のコスプレをしている。露出が多いのがちょっと気になるけど、まあ私の貧相な体なんて誰も興味ないから別にいいよね。


「お待たせ」

「おまたー」


 お、噂をすれば。


 声のした方を向くと、そこには魔女の格好をしたシロ先輩とむっちゃんがいた。


「エクセレント!」

「な、なになに? どうしたのみいちゃん」

「あーみすずっち今年もテンション高いなー」


 そりゃあ美少女たちのコスプレを見てテンションが上がらない方がおかしいと思う。


「それにしてもふたりとも全く同じコスプレなんだね」


 シロ先輩とむっちゃんは普段は仲が悪いからお揃いの格好をしているのは意外だ。


「そうなんだよ~。みすずっちを悩殺しようとせっかくこの格好を選んだのに、まさかの白美とだだかぶりだよ!」


 憤慨するむっちゃん。ふたりは仲は悪いけど思考回路は似ているからな。たとえば同じ人を好きになるところ…とか。自分で言ってて恥ずかしくなってきた。


「みすずっち。顔赤いけど大丈夫?」

「な、なんでもない! ところでシロ先輩、そのごっついカメラは……?」


 シロ先輩は首から重そうなカメラをぶら下げていた。


「家から持ってきたの。これでみいちゃんの艶姿あですがたをいっぱい写真におさめるわ!」


 艶姿て……確かにいつもよりはエロい格好をしてるけどさ。コスプレ姿に対して言う言葉じゃない気がする。あと本人の前で堂々と言うことでもないと思うんだ。


「白美ってみすずっちに対しては途端にポンコツになるよね」

「あら睦月。それはあなたも同じでしょう?」

「否定はできない。だって――」

「「みいちゃん(みすずっち)がかわいすぎるんだもの(だもん)」」


 このふたり実は仲がいいのでは?


 それから私たちはお菓子を食べさせあったりにゃんにゃんしたり(意味深)して過ごした。ハロウィンはやっぱり最高だね!


 え、それハロウィン関係ないだろって? コスプレにゃんにゃんで盛り上がったからいいのです。

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