第5話 耳かきと膝枕
「はぁ~極楽極楽♥️」
とある日の休日。私は自室でシロ先輩に膝枕で耳かきをしてもらっていた。
シロ先輩の膝枕×耳かきの破壊力はとにかくヤバい。
天上の心地とはまさにこのことで、つい温泉に浸かったときに出る声が漏れてしまったのは仕方のないことだろう。
ちなみに今のシロ先輩の格好は白のワンピース。頬に直接シロ先輩の柔肌が当たっているわ、めちゃくちゃいい匂いがするわで理性がガンガン削られている。もう一線越えちゃっていいですか?
フー
「ひゃわっ!?」
耳に吐息がふきかけられると変な声が出ちゃうよね。
シロ先輩が私の頭をポンポンと優しく叩く。これは反対側を向いてというサイン。
…さて、ここからが本番だ。私の理性が試されるとき。
ぐるりと体を反転させると私の顔がシロ先輩のおなかと密着する形になる。この体勢は控え目に言ってもヤバい。はっきり言ってムラムラする。
下半身に手を伸ばしたくなるけど我慢だ。我慢。耐えろ私の理性!
…あれ、耳かきがいつまで経っても始まらないぞ?
「ダメよ。まだ手を出しちゃダメ……」
シロ先輩が小声でつぶやくが何を言ってるのかわからない。それよりも早く耳かき始めてください私の理性が崩壊する前に。
私の祈りが天に通じたのかようやく耳かきが始まった。あとは終わるまで耐えるのみ。
そんな天国のような地獄のような時間は瞬くまに過ぎ、最後の仕上げに耳に吐息がふきかけられて本日の耳かきは終了。
「ふー。シロ先輩今日もありがとうございました」
「どういたしまして」
「ところでいつも私がやってもらってますけどたまには私がシロ先輩に――」
「やめとくわ」
耳かきしましょうか? と言いかけたところで速攻で否定されてしまった。少し悲しい。
「い、いや、別に嫌なわけじゃないのよ? むしろやってほしいのだけどそうすると私の理性が持たないというか(ゴニョゴニョ)」
「?」
「と、とにかく耳かきは遠慮するわ」
「えー……」
「み、耳かきはダメだけどたまにはみいちゃんに膝枕してもらおうかしら」
耳かきは拒否されてしまったけど、初めてシロ先輩に膝枕できたのでよしとしますか。
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