第4話 生徒会
シロ先輩は生徒会長だ。ゆえに放課後は基本的に生徒会の仕事で忙しい。
それでもシロ先輩はさっさと仕事を終わらせて私との時間をつくってくれるのだが、私は帰宅部なのでそれまでは暇だ。
親友は陸上部に入ってるからおしゃべりをして時間をつぶすこともできない。本を読む趣味もないし、結局シロ先輩が仕事を終えるまで机に突っ伏して寝るというのがいつものパターン。
そんな話をシロ先輩にすると、驚きの提案が返ってきた。
「ならみいちゃんも生徒会に来る?」
「え…」
「もちろん私の独断でみいちゃんを生徒会のメンバーにすることはできないけど、生徒会室に滞在するのは許可できるわ」
というわけでシロ先輩に連れられて生徒会室へ。
シロ先輩と一緒に部屋に入ると、中の人たちがギョッとした表情で私たちを見た。
「し、シロ先輩。やっぱり部外者が立ち入るのはまずかったんじゃあ……」
「私が許すと言ってるのだから誰にも文句は言わせないわ」
そう言うとシロ先輩は私をヒョイと私を抱え上げて『生徒会長』と書かれたプレートが置いてある机に向かう。
そして椅子に座り私を膝の上にのせ、そのままノートパソコンを広げて仕事を始めるシロ先輩。
…あの、めっちゃ恥ずかしいんですけど。
姿勢が姿勢なだけにムギューッとシロ先輩のおっぱいが背中に押しつけられるのは最高なんだけど、なにこの羞恥プレイ?
あまりにいたたまれずうつむいてしまう。うぅ、周りの視線をビシビシ感じるよぅ……。
前門の視線、後門のおっぱいに私はシロ先輩の仕事が終わるまでもんもんとし続けたのだった。もんだけに。
side とある生徒会役員
その日私たち生徒会はいつものように仕事に取り組んでいました。
普段と違うのは生徒会長がまだ来ていないこと。通常であれば会長は誰よりも早く仕事に取りかかり、速攻で仕事を終わらせて部屋を出ていくのですが……。
「ねえ、会長はどうしたのかしら?」
「学校には来ているはずなんだけど。何かトラブルにでも巻き込まれたのかな?」
そわそわうずうず。
会長がいないだけでこんなにも浮わついた空気になるとは。やはり会長不在では気が引き締まりませんね。
とうとう探しに行こうかとなったところでドアが開きました。
部屋に入ってきたのは会長と――えっ猫山さん?
猫山さんが生徒会室に来るのは初めてなのでつい注視してしまいます。
「し、シロ先輩。やっぱり部外者が立ち入るのはまずかったんじゃあ……」
「私が許すと言ってるのだから誰にも文句は言わせないわ」
そう言って会長は猫山さんを抱き抱えると、そのままデスクに向かいました。その光景を見て猫山さんの頭上に猫耳を幻視したのは私だけではないはず。
それにしても噂は本当だったんですね。
その噂というのは会長と猫山さんがデキているというもの。
こうして見ると本当にお似合いのふたりです。
猫山さんを膝の上に乗せて仕事を進める会長は本当に幸せそうで、猫山さんは恥ずかしそうにうつむいてはいるものの、口元がもにょもにょ動いています。見ているこっちもにやけてしまいそう。
そんな幸せ時空を演出しているおふたりを私たち生徒会一堂応援していこうと決意したのでした。
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