第13話 セフィロト

「ちょっと良いか?」

「ええ大丈夫ですよ」

 メニューからスキルでも見ようとすると背後から声を掛けられる。4人か。振り返ると騎士の格好をした男性に軽戦士風の斥候の男性、神官服の女性に弓を持つ女性のPTパーティーだった。

「俺はカズヤって言うんだ。如何した?」

「悪い知り合いに同じ名前の奴が居てな。アイツが居たら楽だったかなと思っただけだ」

 剣の勇者であり人のみであり僅か20年の月日で神へと至った刀剣類最強の男だ。その絶技は切ると言う意思なく抜刀せずに斬撃を放つというもはや何だか分からない極地だ。

「へえ。聞きたいことが幾つかあるんだが?」

「良いですよ。ただこの場では話したくないことも出てくると思うので」

 リリアやミミアに関することは一切話す気がない。こういう形で付き合わされ乗り越えることになったとしても彼女らの人生を他人に話す気はない。それに約4年ぶりくらいの死が伴う世界で判断を惑わすのは良くない。

「分かった着いて来てくれ」

 すると全員がとんでもスピードで街を駆ける。ちっ!

「10000%」

 呟くと想像した通りの能力が溢れる。1蹴りで10mを進み彼らを追う。路地裏に入ったのを見て3次元機動をして止まった彼らの前に現れる。

「追いついたのか?」

「ああ。ちょっとの間なら肉体の限界を超えれるからな」

 そしてふと気付いた。

「ステータス」

 グルカルトの言語で呟く。するとかの世界式のステータスが現れた。


片倉 亮也 種族 半人神 レベル800

筋力 7837282 知能 10007689 運 99999999

耐久 8019973 精神 10010066

敏捷 9876543 器用 99999999

スキル

戦闘 魔導 生活 補助

ユニーク・称号

万物の境界 万物視 万物模倣 万物の勇者 治の聖女 相対の魔王 精霊王 龍帝の迷宮主 破戒者 終焉 神理術 練金神 創造神 メニュー 英雄 神 勇者殺し 魔王殺し 神殺し 迷宮主殺し 超越者 理も超える者 戦略級魔法師 神眼


 スキルについてだが戦闘は文字通り戦闘に関する全スキルで魔導が魔法や魔術などの全スキル・生活は調理などで補助は生産やステータス増強系。ようするに種固有系以外は全て極めた世界でも万物と相対という力を持つ俺だからこそ辿り着いた神域だ。


「とりあえず中へ」

 壁を押すと扉のように開く。中は完全な酒場になっている。

「カズヤか。そちらは?」

 中に居たダンディなバーテンダーの格好をしたオジサマが尋ねてきた。小さい頃あんな大人になってみたいと思ったものだ。

「俺ら以外でGMゲームマスターがこの世界の真理に気が付いた奴だ」

 するとオジサマが目を大きくして驚く。

「そうかとなると間に合ったのか?」

「ギリギリだ。コイツはリョーって言う」

「どうもリョーと申します」

 バンと背中を押されたので前に出てそう言う。

「儂はガレスという。ここのオーナーだ。如何だリョー、ウチのクランに入らないか?」

 クラン。確か共通の目的を持つ者通しが組む組織。

「複合クラン【セフィロト】へ入らないか?」


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VOID OF DETHA 髙﨑 レイ @reitakazaki

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