私と恋をしたければお土産を持ってきて
一ノ瀬 彩音
第1話 私と恋をしたい男性がおります
私にはお付き合いする人もいませんし、恋をしようと
思いませんが、恋をしている人を見ると理解出来ない。
なぜ人は恋というのを出来て笑ったり、楽しんだり、
悲しんだり、落ち込んだりするのでしょうか。
私はそれがぜんぜん理解出来ないし、したくても恋を
した事がないのでよくわかりません。
私のお名前は
職業が某企業の社長をしているのです。
そして、私に恋をしたいという男性がいるんですけれど、
その男性のお名前が桐ケ
年齢25歳、職業が某店の経営者だそうです。
私自身は恋というのをしたいのですが、簡単には
させるつもりはございません。
桐ケ谷勝という人物が私の目の前に居ますが、私に
対してこう言ってくるのでした。
「貴方と恋をしたいんだ、ぜひお付き合いをしてくれ」
「はぁっ、恋なんてしません」
「どうして何だ、そんなに美しいのに勿体ない」
「恋をしたければお土産を持ってきて下さい」
「お、お土産?」
「そうです、お土産です」
「わ、わかった」
桐ケ谷勝は私の目の前から居なくなって何処かへ行ってしまうと私は
一人残されたという状況になります。
お土産といっても色々とあるし、庶民が好むような物を持ってきたら、
即お断りしようと考えております。
そんな簡単に私が好むようなお土産を持ってこれるとは思いません。
しばらくすると桐ケ谷勝は私の元へ戻ってくると私にある物を
渡してくるのでした。
「さぁ、これを受け取ってくれ」
「これってただのぬいぐるみじゃない」
「そうだ、ぬいぐるみだ」
「こんなのは要りません」
「ど、どうしてだ、こんなにも可愛いぬいぐるみなのに」
「確かに可愛いけど、私の好むお土産じゃないわ」
「まじかっ、わかった、出直してくる」
「せいぜい頑張って下さいね」
桐ケ谷勝はまた私の目の前から居なくなると、何処かへ行ってしまって
私はまた一人になってしまうのでした。
結局、私と恋をしたいという割にはろくなお土産を持ってこないというが
わかると私は期待するのをやめました。
所詮、私と恋をしたいって言っても口だけでしょうし、私も恋をしたいとは
ぜんぜん思っていません。
そんな事を考えていると桐ケ谷勝が戻ってきて私にこう言ってきます。
「貴方の事が大好きだ、愛している、俺と恋をしてくれ」
「あのね、お土産は?」
「そんな物はない」
「ないってどういう事よ」
「俺の言葉がお土産だ」
「えっ、それってつまり…………今のが?」
「そういう事になるな」
「うふふっ、貴方って物で人を釣るような事はしないのね」
「最初はぬいぐるみを渡そうとしたが、断られて気づいた」
「そうなのね」
「物をあげるのもいいかもしれんが、やっぱり心が大事なんだと思った」
「なるほどね」
「それで俺と恋をしてくれるのか?」
「ええっ、恋をしてあげます」
「あ、ありがとうな、嬉しいよ」
「そこまで喜ぶ事はないじゃない」
「正直言うとな、本当に嬉しいんだよ」
「もうっ、大袈裟ね」
「これからは宜しくお願いします」
「ええっ、こちらこそ、宜しくお願い致します」
私は桐ケ谷勝という人物と恋をする事になる。
恋をする初日はお互いに自己紹介をしてお話を始めると
意外と恋はいいものなんだなって感じます。
それから恋を続けていると相手の事をよく知っていく度に
桐ケ谷勝という人に惹かれてしまうのでした。
正直言えば、桐ケ谷勝はとても良い人で私のタイプかもしれないって
思うほど大好きになっていくのです。
恋って体験してみるととても心地が良いもので安らぐというか
安心するというか幸せな気持ちとなります。
こういう事ってしてみないとわからないと私は思います。
恋って本当に素敵で幸せな一時を感じる瞬間でもあります。
桐ケ谷勝との恋は順調に進んでてお互いに楽しく、笑って
時には何かを見ると感動して幸せです。
私は恋を出来て本当に嬉しいです。
私と恋をしたければお土産を持ってきて 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
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