第3話

 今日は何故か気分が良い。

 普段、朝ご飯は兄が作ってくれるが兄はここ数日いないので自分で作る。 

 まず、フライパンを温めて卵を落とす。リビングにいい音が響く。いつもはこれでは終わりだが、気分が良いのでもう一品を作ることにした。ベーコンはあったかな?冷蔵庫の中を探すと二段目の一番奥にあった。賞味期限は、……今日だ。運がいい。ベーコンを焼いて付け加え、ご飯を茶碗に盛る。これで完成。卵には、コショウ派なのでコショウをかける。我ながら、美味いと思う。テレビをつけてニュースをつけるが北方領土問題などを取り扱っていて余り興味がないので他のチャンネルに変える。天気予報だ。

 「五月一日の東京の天気は、日中は雨になり気温は最低十五度、最高気温は一七度になります。雨が降っているので体感温度はぐっと下がるので上着があった方がいいでしょう」 

今年の気温は全体的に気温が下がると、どっかの記事で読んだことがある。長袖だけでは流石に寒いのでセーターを着ていこう……

 朝ご飯が終わり歯を磨いて、制服に着替える。時間はちょうどいい。傘を忘れずに……

 今日は気分がいい。

 

 家を出た時は、雨は降っていなかったが道中急に降り出した。ニュースを見ていなかったは今頃大惨事だ。

 その後、太郎と会い下駄箱で別れた。

 今日の一時限は歴史で太平洋戦争についてやった。真珠湾攻撃などだか、これは中学の復習で、俺は社会、特に歴史が得意だったので暇な時間だった。雨は強さを増している。時間は刻々と過ぎていく。そして、あっという間に六時限目が終わっていた。

 「益次郎、今日はもうかえるのか?」

廊下で会った太郎が話かけてきた。

 「いや、今日はまだ帰らない。ちょっと返したい本があるし……この雨では帰る気にはならない」

 「そうか、なら都合がいい。俺、今から委員会活動があって五時半ぐらいまで残んないといけないんだ。益次郎は何時に帰るつもり?」

 五時半か……その頃には雨は弱まっているだろう。

「分かった、五時半に昇降口な」

「了解!!」

太郎と別れ図書館へ向かう。しかし、太郎の奴中学の頃にも委員会に入っていたが、高校でも入っていたのか……多忙な生活をしている。


図書館というのは読書や本を愛している人々の溜まり場で、とても神聖なオーラを纏っている。うるさい奴も図書館に入れば自然としずかになる。これは、おれが長年疑問に思っているが未だに理由が分かってない。

 図書館には司書の先生と数名の生徒がいた。太郎には返したい本があるといっていたが、実は読みたい本もある。それは、戦国武将について面白くまとめた漫画だ。

 本を返した後に歴史関係の漫画なので歴史の棚を探したがなかなか見つからない。だが、それは仕方のないことかも知れない。なんせこの図書館には五万冊以上の本があり、図書委員でもどこにあるか分からない時があると聞いたことがあるのだ。これ以上探してもないので司書の先生に聞いた。

「あの、すみません、戦国武将の漫画ってありますか?」

 すると司書は笑顔でこう言った。 

「はい、ありますよ。ついて来て下さい」

 司書の先生に言われたとおりについていく。 

「こちらでしょうか?」

 ドンピシャだ

「あ、ありがとうございます」

「本を探す時は、本を本棚に入れるためのルールがありますのでそちらを参考にすると探しやすくなります」

 俺は驚いた。こんな五万冊以上ある本の中で言われた本を一切迷わず探し当てたのだ。それに笑顔で、本の探し方も教えてくれた。なんていい人なんだ……。 

 沢山ある漫画の中で一冊の漫画を手に取る。題名は「天下の分け目の戦いの裏」椅子に座り本を読む。内容は面白い。時間を忘れてしまいそうだ。

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ナカペ @sp14

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