第2話
高校生活は和やかに始まった。
高校に入るとお互い知らない人が沢山いるので、たいていみんなは静かである。周りの人の性格や、仲が良くなるためのいい時期を探っているのだ。しかし、最初からみんなの注目を浴びたいという思いで周りと接している奴もいる。俺の経験上、そうゆう奴は後々孤立して嫌われていくのだ。
四月も終わりを迎えようとする四月二十五日、この高校ではクラブ体験が約一ヵ月続く。しかしそんなのはどうでもいい。俺は入学式の時、入部届をが配られた途端担任に提出した。担任は「本当にいいのかい?」と聞かれたが太郎に入ると言ったので今更変える気にはならない。なので、そのまま提出した。
そして、今太郎と部室に向かっている。場所が分からないのだ。太郎にそのことを話したら一緒に行くことになった。
「それでなぞとき部の部室はどこに?」
「ええっと、確か……南棟の五階にあるゼミ四十三っていう部屋だった気がする」
この高校は北棟と南棟と、体育館兼講堂がある。北棟と南棟は渡り廊下で繋がっている。そしてかなり広い。なので北棟から南棟は少し速く歩いても五分は、普通にかかる。
しかし、ゼミ四十三?聞いたことがない。中学の恩師の言葉は「気になったら聞け」だ
「ゼミ四十三?」
すると太郎はうれしそうな顔をした。大抵こいつがうれしそうな顔をする時は聞いて欲しかったというサイン。
「よくぞ聞いてくれた益次郎!ゼミ四十三は、自習室の事で南棟にしかないんだ。まっ、受験生しか使わないし俺たちには関係ない場所だけどね!!」
すごい興奮している。恐らく、話はこれでは終わらないだろう……
「なぜ、なぞとき部がそんな場所を使っているかって?」
誰も聞いてないが聞いてやるか
「それはね、この部活は作られてから二年しか経ってないんだ。だから急遽部室を用意することになったんだけど場所が無かったんだ。そこでどうする?それで注目されたのが、利用者数が少なくあまり使われてないゼミ四十三になったということだ。」
太郎の詳しい説明を聞いているうちに、部室に着いた。時間は四分ぴったり、遠い……
「ここか?」
思っていたのとは違う。廊下の一番奥にあり、不気味な雰囲気がある。そりゃあ、利用する人は少ない事も理解できる。
「扉は閉まっているけど誰もいないのか?」
「いや、兄さんがが先にいるはずだけど……一回見て見ようか」
「そうだね」
扉に手をかける。すると、ゆっくりと扉が開いた。中に入るが中は暗い。
「太郎誰もいな……」
パァーン。破裂音がした。すると、電気が一気に点き一人の生徒がクラッカーを手に持っていた。
「兄さん、ビックリさせないでよー。心臓に悪いって」
「アハハ、ごめんごめん。お前たちを歓迎したくて、ビックリさせたのはすまんな」
兄さん?太郎は確かそう言った。ということはこの生徒は太郎の兄さんなのか?だが、俺と太郎の兄さんである鳥山龍樹とは何回かあったことがある。最後にあったのは中三の頃、というと
「龍樹さん一年ぶりですね」
「久しぶりだな!益次郎。お前少し大きくなったか?あんまり変わらないなー」
「そりゃあ、一年前ですからねあんまり変わらないですよ。それよりも、龍樹が変わりすぎて分からなかったよ」
すると太郎が中を割ってきた
「そんな事より、今後の活動内容について話に来たんでしょ」
あぁすっかり忘れていた。話を本題に戻さなければ……
「それで、龍樹さんなぞとき部の活動内容というのは?」
「益次郎君、この部活はなぞとき部ではなく謎部と読んでくれいいかい?太郎も」
龍樹さんは妙なこだわりを持つ。断る理由はないので指示に従う。
「じぁあ、改めてこの謎部はどんな事をしてるんでしょうか?」
「君も知っていると思うけど、学校や、街の中で起きた不可思議な事について解き、その結果を記事にするというと事だ」
昔、太郎から聞いた内容と同じだ。
「兄さん。活動日はいつなの?」
今度は太郎が聞いた。
「活動日は毎日だ」
「え?」
「は?」
太郎も驚いている。初耳なんだろう、俺もだ。しかし、どいうとことか?普通は文化部では活動日はニ〜三回なのだか……。
「毎日?」
「言い方が悪かったな。俺ら謎部は毎日、不可思議な事について探るから毎日と言っているが、実際には水曜日だけだよ」
それなら安心した。毎日なんてそんなのは絶対に嫌だ。
「これでは大体は説明できたかな?聞きたいことはある?」
特にない。
「ないなら俺は帰るよ。活動は明日から始めてくれ」
そう言って足速く、兄さん去っていった。
「ということで、益次郎いいかな?」
「あぁ分かったよ」
「じぁあ明日からよろしくね!」
謎部というのは名前通り謎である。この部活に入ってしまったのは間違えだったのだろうか?
いや、今そんな事を思ってもしょうがない。これかの生活を楽しもう……
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