たったそれだけで満たされる










が、しかし、先ず、最初に…スローライフをするならばしなくてはならない事が有る。




グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!




お腹が減っていて、目の前にはパンとチーズがある。


小屋の設備として暖炉がある。














この状況。これをセットした神は神っている。解っている。
















ファストフードや高級なレストランでも出されない。


フォアグラやキャビアやトリュフ程度では到底太刀打ちできない最高級料理。
















『チーズトースト』が作れる!














パンをナイフで切り、その上にチーズの切ったものを乗っける。


それを……暖炉に投入。




あとは待つだけ。


たったそれだけ。


しかし、都会の喧騒の中に居た人間にとってこれはトリュフフォアグラに勝る。




暖炉だぞ⁉チーズだぞ⁉パンだぞ⁉




あの国民的アニメを見た事有る人間なら、この三位一体が如何なる破壊力を持つか解るだろう?


既に部屋にパンが焼ける香り、チーズが溶ける匂いが充満し始めた。




ぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ


ぐぐぐぐぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ


ごごごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!




胃が早くこの香りの元を喰え!と叫ぶ。


喉がこれを飲み込みたい!と動き始める。


口の中はもう、既に食べ始めた様に唾液が……あぁ………。




チーズが溶け、パンが良い色に焼ける。


もう良いだろう………頂きます!










サクッ








良い音がした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スローライフで一度はやってみたい事 黒銘菓短編集74弾 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ