狂気の賢者










その後、その貴族の祖国は滅びた。


とあるモンスターの出現が国を一つ滅ぼしたのだ。




その姿は巨大な龍のようであり、蜘蛛のようであり、巨人のようであり、一本の毛のようでもあった。












モンスターが通った場所には長い、黒い毛髪が残っていった。


























































「また失敗か。」


賢者は項垂れていた。


その頭に髪は無く、鬘が近くの机に載っていた。






「髪の蘇生自体は成功したが……髪が暴走してラスボス化しては………。」






この賢者、実は育毛剤を作るために様々な禁忌に手を染めていた。


挙句、他者を実験台に育毛剤作りを行っていた。








自分の毛根を蘇生する為だけに!


国を滅ぼしていた。














「まぁ良い。失敗は成功の母。次へ繋げよう。」




そこには毛根に狂った、諦めの悪い、自己中心的なただの男が居た。


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賢者の英知の力で作った育毛剤 黒銘菓短編集67弾 黒銘菓(クロメイカ/kuromeika) @kuromeika

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