40.魔術補助学《知識》

 魔術を行使する際には、ほとんどの場合は補助が必要である。

 魔法道具や魔方陣、呪文詠唱などだ。

 補助無しで行使できる魔術といえば、ほんとうに簡単なものに限られる。

 それなりの難易度の魔術を補助無しで使えるのは、大魔術師と呼ばれる者や、一部の魔族たちに限られるだろう。


 上記の事柄は魔術補助学と呼ばれ、魔術そのものの研究と合わせて、遥か昔から研究され続けてきた。


 昔の魔法道具――例えば杖など――は、今でこそ成人男性の前腕程度の長さで、軽くて持ち運びもしやすい。

 だが、大昔の杖は成人男性の身長以上の長さがあり、重く持ち運びが難しかった。

 基本的に複数人で杖を支え、術者が使用する形態だったと思われる。

 また実用性を無視し、華美な装飾を施された杖も存在する。


 魔方陣は、魔法道具に施されるものだ。

 この魔方陣のと魔法道具の進化は相互関係にある。

 それ以外にも、地面に直接描いたり、身体に刺青することで魔力を高めることもできる。

 現在では、身体への魔方陣の刺青は一定水準を超える協力なものは、多くの国で禁止されている。本人の身体への悪影響もあるが、万が一制御できず暴発したら、周囲を巻き込むからだ。


 呪文詠唱は一番古い歴史を持つ。詩として残っているものも多い。

 だが、大半は唱えるだけでは発動せず、魔術の媒介や別途魔法道具を必要とすることが多い。

 また、古来のものほど呪文は長い。間違えて唱えると暴発の危険もある。

 魔法道具の進歩により、呪文詠唱は廃れていった。

 詠唱に時間がかかって発動が遅く、間違えれば暴発。準備も手間がかかり、何より呪文の扱いは難しかったのだ。声の質や波長によって、同じ呪文でも威力が変わってしまう。


 現在の魔術補助学は、無駄がなく手頃で扱いやすいことを良しとしている。

 だからといって、昔ながらの魔術補助の形をないがしろにしているわけではない。


 手間がかかっている分、それぞれの文化や歴史を反映した魔術補助は、華美な杖や道具も、地面や今日な垂れ幕に描かれた魔方陣も、詩のように長い呪文も、ある種の儀式や祭りとして各地に残っている。



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 ネタ切れ中につき、不定期更新です。

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