孝一という、挫折を経験した――否、渦中にいる青年がいた。
青年は、渡良瀬川という龍神に挑んだことがあった。
その青年は、野球に憧れ、野球を目指し、そして野球の最中に傷ついて――
孝一の友、武尊もまた、野球に倒れ、奇禍に遭い、その行方をくらませてしまった。
無念の想いを抱く孝一だが、彼の元に、社会人野球のチームから誘いの手が。
孝一の傷を考慮した投法により、孝一はまた、舞い昇ることができるのか――龍神のように。
そして――その行方が杳として知れない武尊と、果たして再会できるのか。
長い物語ですし、非常につらい展開もありますが、それだけの読みごたえがあります。
挫折した青年が――伏龍となっていた孝一が、また舞い昇っていく物語、ぜひ、ご一読を。