戻り方を知らないのだけれど?

 神聖国・都の郊外



 部外者だと思っていたのだが『どうか是非とも』とフルフェイスの熊が迫って来たので参加することにした。と言ってもあくまで僕はツッコミ役だ。


 何に参加するのかと言うと、何だろう?


「これって何になるの?」

「現状の把握で良いと思います。兄さま」


 ちょんと隣に座っているポーラがそう言ってきた。


 そうそう。現状の把握だ。


 女王様どうぞってことで変態が上座と言うが一番良い椅子……岩に腰かけている。

 司会進行はフルフェイスの熊だ。萎んだオッサンは相談役的な感じか?

 自称左宰相の部下たちが数名とペガサス騎士からは熊とユリーさんが参加している。


 ちなみにマッチョ対ユリーさんの戦いは引き分けに終わった。あのマッチョは人間相手だと普通に戦えるらしい。人間相手だとっていう定規の存在に最近違和感を覚えなくなった僕も大概だが。


 パーパシとカミーラは蛇の退治をしている。パーパシが毒抜きした蛇をカミーラが潰すといった簡単な作業だ。

 マニカは一部自称左宰相の部下たちに囲まれている。あれはあれで大丈夫だろうから無視だ。


「では女王陛下」

「はい」


 熊に促されて変態が口を開いた。


「現状の報告を」

「はい」


 今の促しは何だったのだろう? スタートの合図は大切とか?


 間の悪さだけが目立った気がしたが、今度は変態に促されて熊が口を開いた。


「ゴルベル様より伺っていたあの封印されし化け物なのですが……我々の攻撃では傷1つ付けることが出来ません」

「そうですか」


 分かっていた感じで変態が小さくため息を吐く。

 と言うより計算通り過ぎて絶望した感じだ。


「ねえポーラ」

「はい兄さま」

「ポーラならあの蛇の化け物をどう倒す?」

「アイルローゼ姉さまにお願いして」

「それ禁止で」

「……」


 だってそのプランはもう立案済みだ。


「ならファシー姉さまに」

「それも禁止で」

「……」


 残念ながら猫の攻撃はああいった巨大生物には向いていない。

 何より魔力の使い過ぎで外に出られないらしい。


「つぎつぎ~」

「ならファナッテ姉さまに」

「神聖国が死の都になるよ?」


 何て恐ろしい企画を立案するのでしょうか?

 ファナッテの魔法は凄いよ。確かに凄いよ?でも彼女の場合、僕以外の全員に毒魔法が飛んでしまうので、


「ファナッテの毒ならあの魔女が手を回して勝手に溢れ出ないようにしたらしいわよ」

「マジで?」


 毒蛇の毒を集めた瓶に封をしたパーパシが新しい瓶を回収しながらそんなことを。

 ボトルの水洗いは……ポーラってば水魔法まで使えたのね。水系が得意なだけかな?


 ただそう言われるとそんなことを言っていたような気がする。

 ファシーがバグだとか何とか言ってた時にポロっと。


「ファナッテの毒が溢れ出なくなってもあのサイズの蛇とか倒せるの?」

「知らないわよ」


 パーパシの返事は至極当然だった。


「なら一度戻って貰ってあの毒っ子を」

「良いけど……これってどうやって戻るのかしら?」

「はい?」


 何か不穏当な発言が?


 キョロキョロとノイエの姿のパーパシが自分の様子を伺いつつ僕に視線を向けて来た。


「戻り方を知らないのだけれど?」


 マジで?




~あとがき~


ごめんなさい。今日の投稿は完全に書きかけです。

理由としましては…昨日の投稿後に出かけ、その出先でぶっ倒れて救急搬送されてました。

原因としては過度のストレスとか不眠症とかその他諸々があれした感じですかね?

一泊して戻ってはきたのですが、執筆できる状況でなくて…書きかけをどうにか纏めました。


明日からは調子を見ながら執筆して行こうと思いますが、だいぶ体の調子が悪いので場合によっては休みを挟みつつになるかもです。それか短いバージョンが続くかもしれません。


回復したらいつものペースに戻しますので、しばらくの間マイペースでの投稿をお許しください




© 2023 甲斐八雲

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