これが我らの戦闘服でして
神聖国・都の郊外
『あの人たちは……』
私はそれを呆れながら見つめることしか出来ません。
ポーラ様を先頭に自分たちから悪獣と呼ばれている化け物の巣へと落ちて行きます。
「あのウネウネとした生き物が?」
「はい。この国が誕生するよりも前からこの場所に居ると言われている化け物です」
一緒に居る筋肉……ムッスンさんの発言に名無しの女の子が震えだし私に抱き着きます。
筋肉恐怖症と言っても良いのでしょうか、この子は筋肉質の男性を見ると震えてこうして抱き着いてきます。大丈夫です。私が守ります。見たくないのなら見なくても良いんですよ。代わりに私が見ますからね。ええ。仕方なく代わりに私が筋肉を見るのです。
「口に入るモノであれば物であれば何でも食らうと言われています」
「そうですか」
つまりノイエ様のような胃袋を持っているのでしょうね。
「あの生き物から逃れた人は?」
「過去より誰一人として居ないとのことです」
「そうですか」
つまり今日が初めての脱出者が誕生するんですね。
さて……問題は、そろそろ現実を見ましょうか。
「できるだけ忍ぶ姿でとお願いしたと思うのですが?」
「これが我らの戦闘服でして」
裸にふんどし姿が正装ですって感じに振る舞われても、無理があると思います。現に完全に浮いていて……良くもここまで来れたものだと感動すら覚えてしまうほどです。
向こうの方で完全武装の兵士さんたちが居るので、私たちが捕まるのも時間の問題な気がします。
「良いですか?」
私は抱き着いている女の子に優しく語りかけると、ブルブルと震えている女の子がゆっくりと私を見つめて来ました。
本当に愛らしいです。もしこの子の親が喋れなくなったこの子を捨てるようなことがあれば、私が引き取り立派に育てようと思います。
「もし私とはぐれるようなことがあったら、あの人たちの元に行くんですよ」
「……」
チラリとアルグスタ様たちを見た女の子が困った感じで私を見つめ直します。
無事に底に到着した3人が、元気に悪獣から逃げ回っています。
拘束されているのに笑いながら逃げ回るあの精神は流石です。
「平気ですよ」
だからそんな泣きそうな顔で見つめないでください。
私も少しだけ不安になりますから。
「あの人たちは本当に強いですからね」
立ち止まり何やら話し込んだアルグスタ様とノイエ様が……ポーラ様は大丈夫ですか? 気のせいか到着した時に顔が地面に突き刺さったようにも見えましたが。
「きっと今から物凄いものが見えるはずですよ」
ほら。ノイエ様が軽い足取りで動き始めましたし。
~あとがき~
PCが故障して急遽スマホで…全く書けない!
とりあえずこの後実家からPCを借りて来るので明日は大丈夫なはず?
壊れたPCも修理に持って行かないといけないし…厄介だな
© 2023 甲斐八雲
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