ポストアポカリプスの世界観の中、どこからともなく現れたロボットの欠片・麗威が廃墟と化した日本のどこかに暮らす若者たちと「交流」する物語です。
麗威はたくさんの「お話」を知っていて、好奇心旺盛な者に語り聞かせたり、またある時は悩める者を励ますかのようなメッセージを投げ掛けたりします。
この世界に生きる若者たちは、麗威がどこから来た何なのかも分からないし、どうして世界が一部の人間を残して滅亡したのかも分かりません。
でも、ただひたすら前を向いて生き続けます。
麗威とともに。
過酷な環境の中、それでも生きることを模索する彼らの姿は「青春」そのものです。
しかし現代日本に生きる我々に許された「青春」よりも彼らの「青春」はずっともっと重苦しく、滅亡に伴って物資の供給が事実上なくなったこの社会ならではの生命倫理に直結した葛藤も抱えています。
だけどそれでも若者だからこその「きれいごと」も言えるのが微笑ましい。
彼らの理想の実現を願ってやみません。
イナサが、ナオが、ミズハが、タキが、それぞれの形で夢を実現していきますように。
できることなら、次の世代に命をつないでいくことができますように。
麗威が導いてくれるのを期待します。
機械である麗威に若者を導くという意識があるのかどうかは分かりませんが、麗威はきっと寄り添ってくれるものと信じます。