テンプレ感のない王道ハイファンタジー

※読み合い企画からのレビューです

異世界転移した主人公が正体不明の剣を手に冒険者になる──と言えば、「またテンプレか」と辟易する人も多いだろうが、本作品はテンプレの皮を被った骨太なハイファンタジーである
まず、主人公はもともと剣術を習っているが最強ではないし、生き物を殺すことにしっかり抵抗があり、もはやサイコパスとも言える凡百の主人公たちとは違い、しっかり「人間」として描かれているのが好印象だ
登場人物も、まずは少数から始めて、読者が完全に把握してから増やすため、「こいつ誰だっけ」現象がまったくと言っていいほど起こらない
執筆経験の深いのか、才能かはわからないが、非常に丁寧に描かれていることは間違いない
クオリティのわりに評価が低いのは、タイトルのわかりにくさからだろうか
それで敬遠するのはもったいない作品であるため、是非一度読んでみてほしい

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