第26話:朱雀
朱雀は南区にいた。場所も特定した。
金成は四神の2人目「朱雀」を殺しに行くことを考えた。
しかし、相手は不死鳥、どうする?
何か手はあるのか?相手が能力を発動している状態でなければ殺せるのか?
その辺りが未知であった。
しかし金成はこうも思った。「相手の能力が欲しいな」
不死身になれるということはかなりの利点がある。金成は相手の能力を奪えないかどうかも考えてみた。
水晶玉に尋ねてみると、それは不可能である、だそうだ。
しかし一度死者から抜き取られた能力は、この水晶に蓄積することが可能であり、次のノルマ達成時にはその能力を継承することは可能であることを示唆した。
つまり金成にとっては、初めから相手の命を狙わなければいけない理由というものがこのように、別なところで現れてきたわけである。
「とりあえず奴を殺す計画を立ててみるか」
まずは遠距離からの攻撃を試してみた。
雷を落とし込んでみたり、大砲で身体を打ち抜いてみたりした。
しかし朱雀の身体はみるみる再生している。これでは奴は殺せないか。
金成が考え付いたのはおそらく「消耗戦」で行くならば、奴の能力を使い切ることが出来るのではないかと考えた。
「よし、この作戦でやってみるか」
金成は警察署へと向かった。
「ここには大量の爆薬庫があるはずだ」
金成は雷を起して、署内を停電させた。こうなればオートロックも監視カメラもセキュリティ関連は全て作動しなくなる。
暗闇の中、駆け抜けていく。警察署内の警察官は全員ナイフで首をかききった。
叫ぶことも無く、音も無く、一瞬で切り裂く。これが雷の速度と威力。
爆薬庫の前に辿り着いた。予め準備していたキャリーバックの中に詰め込んだ。水が入らないようにしっかりとビニール袋に覆い、それらを下水道へ流した。
下水管は事前に一本道になるように事前に他の排水管は破壊していた。
もはや・・・彼は犯罪者であった。所謂サイコパスなのかもしれない。
しかし、この世をただすためには「百の善行は一つの悪行をも許される」という考えの元、彼は実行し続けた。苦しみを与えてるわけではなく、我々の生活を返してもらうために、神に挑んでいるわけである。
大量の爆薬が手に入った。後はこれで爆弾を作るだけである。
その頃、朱雀の方でも連日の襲撃に警戒をしていた。敵は何かをしかけてくるだろうということもあり、兵隊を大量に動員した。
金成と日本47ヵ国物語 応対も時は金成 @outaimotokihakanenari
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