旅十七日目 オオクニヌシ様と愉快な仲間達
オオクニヌシ様には
オオクニヌシ様を祭っているのは、やはり出雲大社有名ですが、各地にある大国魂神社も「その土地を開拓した祖神」としてオオクニヌシを祭っているのです。
大国魂神社は、女性と遊んでいただけでなく、オオクニヌシ様はちゃんと国を開拓していった足跡のようなものです。
しかしオオクニヌシ様たった一神で、国を作った訳ではありません。彼には苦楽を共にした相棒がいたのです。
今回はオオクニヌシ様と、その愉快な仲間である
オオクニヌシ様は岬に出て、青い海を眺めています。
「うーん、いったいどうすれば」
なにやら悩んでいるようですね。まさか、口説き落とせない女神でもいるのでしょうか?
「皆が暮らしやすい国に出来るのだろうか」
すいません。どうやらオオクニヌシ様は国の支配者として、ちゃんと国民の事考えていたようです。
でも、国作りに悩んでいるようですね。
オオクニヌシ様は海を眺めながら考え事をしています。しかし海原は潮騒を奏でるだけで、答えてはくれません。
おや、沖合いから小さな船が波に乗って近づいて来ますね。あれは何でしょうか?
「なんだ、あれは!?」
オオクニヌシ様もそれに気づいたようで、岬から砂浜の方へ降りていきました。私達も着いて行きましょう。
近くにいってみるとその小さな船に乗っていたのは、オオクニヌシ様の手の中に収まるほどの大きさの神様です。
その神様は蛾の羽から出来た服を着ていますね。
「君は一体、何者なんだい?」
「……」
オオクニヌシ様は尋ねますが、小さな神様は答えませんね。
オオクニヌシ様はその神様の素性が気になり、自分の宮殿へ小さな神様を連れていきました。
そして、周囲の者に聞きましたが、誰も答えられる者はいませんでした。
「
そう答えたのは
「クエビコは何処にいるんだ?」
「クエビコはずーーーーーーーーーーーーーーーと、田んぼの真ん中で立っています」
オオクニヌシ様は早速、小さな神様を連れて出ていきました。私達もついて行きましょう。
田んぼへ行くとタグタニ様の「ずーーーーーーーーーーーと、田んぼの真ん中で立っている」という言葉の意味がわかりました。
クエビコ様は
「君は“とある動く城”のように、悪い魔法をかけられて、女の子にキスをしてもらえないと、元の姿に戻れない感じかい?」
「いえいえ、私は山の神です。田植えの時期になると田んぼを守るために山から降りてきて、田んぼを守っているんです。まあ案山子なんで、自分じゃ歩けないんですけどね。でも、こうして立って、ずっと世の中の事を見てますから何でも知っていますよ」
「この、小さな神様の事を知りたいのだが」
「ほうほう、これは、探偵王子の白鐘直斗……」
「ペルソナ4が出るのは、ずっと先だぞ」
「じゃなくて、高天原の
「カムムスヒノ神!?」
カムムスヒノ神といえばオオクニヌシ様が八十神さん達に殺された時、彼を生き返らせる為にニマイガイシスターズを遣わした神様です。
オオクニヌシ様にとってカムムスヒ様は命の恩人であり、決して忘れる事の出来ない神様でした。
オオクニヌシ様は田んぼを後にすると、今度は高天原へ行き、カムムスヒ様にスクナビコナ様を見せました。
「確かに私の子供、スクナビコナに間違いありません。あまりに小さいから、私の指から落ちてしまったようです。二神がこうして巡り会ったのも何かの縁です。オオクニヌシ、今からスクナビコナと兄弟になって国作りをしなさい」
こうして”や”の付く職業の人のように、杯は交わしませんでしたが、オオクニヌシ様とスクナビコナ様は兄弟の契りを交わし、国作りに励みました。
オオクニヌシ様とスクナビコナ様と一緒に全国を巡り、二神がどのように国を開拓したのか……見て……行きま……。
おや、時空の流れが乱れていますね。どうしたんでしょうか?
あれ、あれれれ!?
一時的に乱れた時空の乱れも回復したようです。おやオオクニヌシ様とスクナビコナ様がいますね。
「国作りも進んだな。スクナビコナ、お前のお陰だ」
オオクニヌシ様とスクナビコナ様の国作りが大分進んだ頃まで、時間が飛ばされたようです。
「オオクニヌシ。この国は良い所もあるが、悪い所も残っている。しかし、ボクがいなくても大丈夫だろう!」
「スクナビコナ、何を言っているんだ」
「ボクはそろそろ、元いた所に戻ろうと思う」
「待ってくれ、まだ国作りは終わっていない。お前の力が必要だ」
「オオクニヌシ、君なら大丈夫だよ。じゃあな!」
スクナビコナ様は天高く舞い上がり、空の彼方へ飛んでいってしまいました。結局スクナビコナ様がどんな神様だったのか、わからず終いですね
うーん、どうやら時間が飛ばされたという事は、どこかにディアボロでもいたんでしょうか……まあ、冗談は置いておいて、時空が乱れた原因は古事記にあると思います。
古事記といえば日本神話がちゃんと記された日本初の歴史書です。
私達は古事記に沿って神話の旅を続けてきましたが、これにはオオクニヌシ様とスクナビコナ様が、どのように国作りを行ったのかという記録はカットされています。
だから、時間が飛ばされたんでしょうね。
「スクナビコナがいなくなったら、俺はどうやって国作りを進めればいいんだ……」
なんの前触れもなく相棒であり親友である、スクナビコナ様との別れがやってきて、オオクニヌシ様はとても落ち込んでいますね。
しばらく別れを嘆いた後、オオクニヌシ様はスクナビコナ様と出会った岬に向かいました。
これだけ悲しむなんて、よほど仲が良かったんでしょうね。
「オオクニヌシよ。我を祭るなら、国作りを助けてやろう」
おや、何者かが声をかけてきました。海の向こうから小さな船じゃなくて、謎の発光物体が近づいてきます。
もしかしてUFOでしょうか!?
「な、なんだ、あの光は!?」
オオクニヌシ様も驚いていますね。おや、光から声が聞こえてきますよ。
「我の名は
「オオモノヌシよ。どうやって祭ればいいんだ?」
「大和の国(奈良県)を囲む山々の、東の山に我を丁寧に祭るのだ」
「わっかた。従おう。ところで、君は何者なんだい?」
「我は汝、汝は我」
「なに!? 私のペルソナか?」
「まあ、似たようなものだ。我は汝の
幸魂と奇魂というのは感情の一部だと思ってください。
幸魂とは愛を司り、思いやりや優しさを持っています。
奇魂は知を司り、理解力や観察力を持っています。
おそらくですが、大物主様の正体はオオクニヌシ様の別れた人格なのではないでしょうか。
因みに、勇気を司り攻撃や前に進む力を持つ
オオクニヌシ様は早速、大物主神様の言葉に従い、出雲(島根県)から大和(奈良県)へ向かいまいた。
そして三輪山という所に、
すると、
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