旅十五日目 オオクニヌシ様のハーレム作り
美女、スセリビ様をつれて地上へと戻ったオオナムチ様は、早速、八十神さん達に勝負を挑みました。
以前は逃げてばかりいましたが、今度のオオナムチ様はなんだか風格が違います。スサノオ様に意地悪されましたが、そのシゴキによって経験値を積んでレベルアップしています。
それだけではありません。装備している武器はスサノオ様のもので、オオナムチ様の攻撃力は大幅に上昇しています。
「オオナムチのくせに、生意気だぞ! ギッタギタにしてやる!」
「そうだ! そうだ!」
「おまえはこの八十神にとっての、モンキーなんだよ! オオナムチィィィィーーー!!」
「そうだ! そうだ!」
八十神さん達が一斉に襲いかかってきました。強い武器を装備しているからって、オオナムチ様の方が不利なんじゃないでしょうか?
「もう、前のような軟弱者じゃない!」
剣と弓矢を抜くオオナムチ様。
「私の名前は大国主神だ!」
オオナムチ様と八十神様がぶつかり合います。
オオナムチ様は、剣を斬り上げて、宙に飛び上がった八十神Aを追いかけて、空中コンボを決めて、地面に叩きつけました。
そして、地面に着地する前に、弓を出し遠くにいる八十神Bに矢を放ち、見事命中させます。
地に足が着いてする、後ろから襲いかかってきた八十神Cを斬ってすぐ、空中から襲いかかってきた八十神Dに矢を射りました。
オオナムチ様、いいえ、オオクニヌシ様は八十神さん達相手に、どんどんコンボを決めていきます。
デビルメイクライのダンテも驚くような、スタイリッシュな戦いを繰り広げています。
「ごめんなさい。参りました。もう、貴方様に逆らいません。どうか命だけは、お助けください!」
デビルメイクライかと思ったら、八十神さん達は、ロックマンに出てくるお馴染みの博士のように、見事な土下座を披露して命乞いをはじめましたね。
「オオクニヌシ様、さすが私の夫です」
隠れて見守っていたスセリビ様も飛び出してきて、オオクニヌシ様に抱きつきました。
オオクニヌシ様の戦いっぷりに、スセリビ様も目がハートになっています。
こうしてオオクニヌシ様は、倒した八十神さん達を配下に置いて、葦原の中つ国の支配者として君臨したのです。
その後、オオクニヌシ様と妻であるスセリビ様はいつまでも二人で幸せに暮らしました……という、テンプレ的なおとぎ話展開が続くと思っていたある日の事です。
「オオナムチ様、いいえオオクニヌシ様。やはり貴方は私の見込んだ方です」
なんと、ひょっこり現れたのは八上姫様です。なかなか出てこないから、忘れていた方もいるんじゃないでしょうか?
「八上姫じゃないか!」
「あの、私、ずっと貴方の事を思っていました。だから、その……」
八上姫様はもじもじしながら言いました。
「話は、あっちで聞こうか……さあ」
あらら、本妻のスセリビ様がいるのに、オオクニヌシ様は八上姫様と寝室へはいっていきました。
今ごろ、オフ○こしているに違いありません。
こうして八上姫様とオオクニヌシ様は結ばれて、めでたく夫婦になりました。助けたウサギさんの言った通りなりましたね。
前も言いましたが、神話の世界に婚姻届けはなく、合体しただけですぐに夫婦になれたのです。
美女のスセリビ様と、可愛い八上姫様に囲まれ、オオクニヌシ様は性的に満たされ喜びました。
幸せなハーレム生活が始まるかと思いきや、そう上手くはいかないようです。
スセリビ様は、あのヤマタノオロチを倒したスサノオ様の娘なので、父親の気の強さを受け継いでいます。
また父の元からオオクニヌシ様と共に、愛の逃避行をする情熱的な女神で、その反面、気性は荒く嫉妬深いのです。
なんとスセリビ様は八上姫様いじめていました。
「もう、こんな生活耐えられない。オオクニヌシ様は私が最初に目つけた方なのに、なんで私が
側妻っていうのは、正妻以外の妻の事で、現在で言うと浮気相手みたいなものですね。
あと、このお話は浮気や一夫多妻制を推奨していません。これは神話の世界や昔の日本で通用する事であって、現代だと賠償金問題や裁判沙汰になりかねませんよ。
八上姫様はスセリビ様のいじめに耐えられず、こっそり実家に帰ってしまったのです。
「八上姫……何故、帰ってしまった。私は寂しい……」
勿論、オオクニヌシ様は八上姫様がいなくなった事にショックを受けているようですね。これで反省して、女癖の悪さをなおしてほしいです。
「なに!? 北陸の方に美女がいるって!? 早速口説きに行こう!」
あらら、全然反省していません。
「スセリビ、明日から北陸に出張だから、しばらく宮殿をあける」
「本当に出張なの?」
スセリビ様はめっちゃ怪しんでますね。
「出張だ! あっちの方は、まだ土地の開拓が進んでいないんだ」
こうして妻を誤魔化して、オオクニヌシ様は北陸の方へ出発しました。
一体、このどうなるのでしょうか。私達も北陸へと向かいますよ!
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