旅十一日目、ハーレム伝説のはじまり!?
ところで、皆様。この作品にはハーレムタグがついている事をご存じですか?
今ままで、ハーレム展開はなく、違和感を覚えた方もいるかもしれません。
しかし、このハーレムタグをつけたのは、オオナムチ様こと、後の大国主神様のためと言っても過言ではありません。
さて、前回は優しくてイケメンだけど、自信がなく頼りない感じでしたが、暫くオオナムチ様と共に旅をして、彼がどのように変貌していったのか見ていきましょう。
オオナムチ様がウサギさんを助けている間に、兄の八十神達は海を渡り、隠岐の島へ辿り着いたようですね。
再度、八上姫様のお宅にお邪魔しましょう。
おや? たくさんいた男神達は、全員結婚を断られた引き上げていますね。今度こそ八上姫様のお姿が拝見できるかもしれません。
なるほど、噂通りの美少女です。ファイナルファンタジーでたとえるなら、ユウナのように可憐で控えめな感じですね。
しかし、ちょっと表情が暗いというか、疲れているような気がします。
おそらく連日、多くの男神が訪れて少し気が滅入っていのかもしれません。
「八上姫様。お邪魔します!」
八十神さん達が家に入ってきましたね。八上姫様の気持ちも知らずに、彼女を取り囲み、膝を着いて頭を下げました。
「私と結婚してください」
「この私の妻になってください」
「私は生涯、貴女様の奴隷となり尽くしましょう」
八十神さん達がそれぞれ求婚しますが、八上姫様はウンザリした様子で、ため息までついています。
「私のウサギに意地悪するような方達とは結婚できません!」
あらら、八上姫様は、ウサギさんに嘘の怪我の治しかたを教えた事は、全て、まるっと、全部、お見通しのようです。
さて、八十神さん達はどう弁解して、状況を打開するのでしょうか。
「そ、そ、そ、そんな事、し、し、し、してませんよ」
「う、う、うん!」
「わ、わ、わ、私達が、ひ、ひ、ひ、酷い真似、しませんですよ」
目がイアン・ソープ並に泳いでます。
これじゃあ、八上姫様と結ばれるのは、難しそうですね。
「私の夫となるべき神は、オオナムチ様しかいません」
八上姫様の宣言に、八十神さん達は目を丸くしました。
うーん、この八上姫様の言葉は、あまりよろしくないですね。
求婚に失敗した、八十神さん達はさっさと八上姫様の家を引き上げていきます。
「オオナムチだって!」
「あんなガキのどこがいいんだ!」
「オオナムチの奴。殺してやる!」
やっぱり、オオナムチ様は何も悪くないのに、八十神さん達の恨みを買ってしまいました。
浜辺へ戻ってくると、オオナムチ様がやっと隠岐の島へと辿り着いたようです。
「あ、兄さん達。どうだった? 誰が八上姫様と結婚したの?」
「うるさい! さっさと島から出るぞ!」
「ええ!? どうして、八上姫様は?」
「あんな奴。ただの子供だ! 俺たちの相手にならないね!」
オオナムチ様はせっかく隠岐の島に着いたのに、強引に連れてかれてしまいます。おそらく、悔しくてオオナムチ様を、八上姫様と会わせたくなかったのでしょう。
こうして引き裂かれてしまったオオナムチ様と八上姫様ですが、会う事が出来るのでしょうか?
「オオナムチ、いいか。ある山に巨大で赤いイノシシの化け物が出るらしい。そいつを討伐しにいくぞ!」
八十神さん達は、オオナムチ様を山の麓までつれてきました。
「オオナムチ、俺達が先に山にはいって、赤いイノシシを誘い出すから、お前がトドメを刺せ!」
「はい、わかりました」
オオナムチ様は兄達の命令に従いますが、本当に赤いイノシシなんてでるのでしょうか?
先に山に入った八十神さん達を追いかけましょう。
おや? 山の奥で何かが燃えています。
キャンプファイヤーでもしているのかと思ったら、神のチート能力で手から炎を出して、大きな岩を焼いています。
そして、岩が真っ赤になると、それを斜面に向かって転がしました。
やっぱり乙事主も紅の豚も、この山にはいなかったようです。全てはオオナムチ様を殺す為の作戦だったようです。
なんて酷い! オオナムチ様はただウサギさんを助けただけなのに。
そうとも知らない、オオナムチ様が山を登って来ます。いけません、このままじゃ、殺されてしまいます!
オオナムチ様、逃げてください! これは罠ですよ……て、私達の声は神話の世界の神々には、聞こえないんだった。
「あれが、兄さん達が言っていた赤いイノシシか! 僕が倒す!」
オオナムチ様は、赤いイノシシだと勘違いして向かっていきます。
しかし、それは赤い岩です。オオナムチ様は岩に押し潰された上に、焼けた岩によって全身を真っ黒焦げにされて死んでしまいました。
ハーレムタグをせっかくつけたのに、ハーレム展開が起こる前に、オオナムチ様は死んでしまいました。
はたしてこの後、どうなるのでしょうか?
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