旅二日目 イザナギ様とイザナミ様の神産み


 イザナギ様とイザナミ様と一緒に天と地を繋げる、天の浮き橋を歩いていましたが、地上は見渡す限り海ばかりです。

 

 洋菓子の生地みたいだった頃とは、ずいぶん様子がかわりましたね。


 でも、降り立つ陸地がありません。


 おや、イザナギ様が、何やら長い物を海に突き立てて、ねるねるねるね、みたいに海を混ぜはじめました。


 あれは天沼矛あめのぬぼこという長い武器です。

 その矛先に潮が集まり、固まりはじめ、やがて小さな島が出来ました。

 そこは、オノゴロ島という陸地で、日本神話の旅、最初の目的地でもあります。


 オノゴロ島に降り立った、イザナギ様とイザナミ様は、お互いの姿を見比べて驚いているようです。


 男のイザナギ様には出ている所があり、女のイザナミ様には穴があいている事に二神は驚きます。


 うーん、どうやら二神は、保健体育の授業を受けていないようです。

 保健体育のテストで120点をとる坂本君に、色々教えてもらった方がいいんじゃないでしょうか?


 それにしても、変ですね。今まで一緒にいて、なぜ今更驚くのでしょうか?

 これは、私の想像ですが、高天原にいた頃は二神は霊体で、地上に降り立つ事で、肉体を得たのではないでしょうか?


「イザナギ、せっかくだから、私の穴を、貴方の出ている所で塞いでください!」


 おっと、なんだかエロい事を始めようとしているようです。

 深くは言いませんが、保健体育の授業を受けた皆様なら、どういう意味かわかりますよね。


 二神はあめ御柱みはしらという神聖な柱を中心に、イザナギ様は左から、イザナミ様は右から回り、二神は出会います。


「なんて素敵な男性なんでしょう!」と女のイザナミ様から声をかけました。

「なんて美しいな女性なんだ!」と男であるイザナギ様が声をかけました。

「貴方の出ている所で、私の穴を塞いでください」

 女のイザナミ様からの誘いで、二神の身体が重なりあった所で……『ザ・ワールド!』で時間を止めさせていただきます。


 この旅は全年齢対象なので、これ以上見せられません。運営からBANされるのも嫌ですから。


 続いて『キング・クリムゾン』で時間を飛ばします(ジョジョネタがわからない人はごめんなさい m(_ _)m )



 イザナギ様とイザナミ様の間に子供が産まれたようです。


 しかし、二神は嬉しくなさそうですね。ちょっと赤ちゃんを覗いて見ましょう。


 あらら、産まれた子供は骨のないブヨブヨとした身体をしています。


 イザナミ様が最初に産んだ子供は、水蛭子みずひることいって、不具の子供だったのです。

 

 イザナギ様とイザナミ様は泣く泣く、水蛭子を葦で作った船に乗せて、海へ流してしまいます。

 ちょっとかわいそうな気もしますが、この水蛭子が後に、七福神の一神である恵比寿様になるのです。

 

 さて、イザナギ様とイザナミ様は国産みに困ったようで、高天原の神に意見も求めました。


 高天原の方から何か聞こえてきます。

『ナンパは男から声をかけるもんだよ』

 意外と俗っぽい答えが返ってきました。

 


「なんて美しい女性なんだ!」

「なんて素敵な男性なんでしょう!」

「私の出ている所で、貴女の穴を塞ぎたい!」

 言われた通り男のイザナギ様から、女のイザナミ様を誘いました。すると、イザナミ様は立派な国を産みました。


 こうして産まれたのが淡路島、四国、隠岐島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、本州です。


 そう、私達日本人が住む日本列島は、イザナミ様の子供達なんですね。


 イザナギ様とイザナミ様は、国産みが済んだ後、次は風の神、海の神、木の神など、自然を司る様々な神々産む、神生みをはじめました。

 こうして、何もなかった日本列島には風が吹き、草木や花が生い茂る、快適な場所になってきました。

 キャンプでもしながら、手付かずの自然を満喫したいですね。


「きゃああああ!」

 イザナミ様が悲鳴を上げました。一体、何があったのでしょうか!? 



 イザナミ様が倒れています。そして、彼女のそばで産声を上げているのは、火の神である火之伽具土神様ヒノカグヅチノカミサマです。

 カグヅチ神様はあまりにも熱く、出産の際、産道を火傷していまったようです。

 イザナミ神様は苦しみ悶えてもなお、食べ物の神、土の神、水の神を産んでいきます。


「大丈夫かイザナミ! 死ぬな!」

 イザナギ様の介抱もむなしく、下半身の火傷が酷く、イザナミ様は死んでしまいました。


 イザナミ様の亡骸の側では、産まれたばかりの、カグヅチが泣いています。

 一方、イザナギ様は愛しの妻を失った、怒りで手が震えています。


「こんな子供の神の為に……何故、イザナミは死ななければいけなかったんだ!?」

 なんという事でしょうか! イザナギ様は腰にぶら下げていた十拳剣とつかのつるぎを抜き、我が子であるカグヅチ様の斬り、葬ってしまいました。


 悲しい話ですが、イザナギ様とイザナミ様の別れは、突然やって来たようです。

 しかし、二神の話はまだ終わりません。


 妻を失ったイザナギ様は、寂しさのあまり死者の国である、黄泉の国へと向かいました。

 

 それでは、私達もイザナギ様と共に黄泉の国へ行きましょう。死者の国なので、ドキドキホラーツアーが楽しめますよ。

 

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