食った食った、ラーメン喰った

松生 小春

近況ノート書こうとしたが長くなったのでここに書く。

数年前に贔屓にしていた店が

突然すんげーまずくなり

2年ほど足が遠のいていたんだが


久々に来店してみた。


前回は餃子もちょっと火が通ってなく

餃子の尻の小麦粉もそのままに。

ラーメン汁も水に出しを溶いただけのような

あっさり通り越してお湯みたいな酷さだった。


食べてて悲しくなったラーメンはあれが初めてだった。


なんかやたらバイトもうじゃうじゃいるのに

くっちゃべってて

横目で

「おい、お前ら仕事しろ、不味くなってるぞ」

つー視線をガンガン送った。


それまで月に3回近く行ってたのに涙(一人で)


それ以来

あそこのラーメンはクソまずい!

…と周囲に吹聴してきたのだが。


まじでグルメサイトに苦情書き込もうと震える手を抑えたのよ。


なんだけどずっと気になっとって。

そこチェーン展開してるし

過去にはその地域のラーメン店でなんか賞だかとってたしで

最初の頃はほんと美味しくて初めて通ったラーメン店だったのもあり


きっと改善されていることを願い本日意を決して向かったのだ。


丸顔の人当たりの良さげな店長らしき男性にカウンターに案内される松生。


どきどき…ねぎごまラーメンを待つ。

さあて…また不味かったら泣いちゃうよ

裏切らないでくれよ…振ってるわけじゃないからな。


よし、外見は合格。


「…いただきます…」


…っ!これは!…うまひ…!!!

店長と思わしき男性にむっちゃウマイですぅ!

という目線を送る。


バイト君が二人出勤してきた。

和やかに引き継ぎをしている。


これまた野球部員です!

というなりの爽やかな坊主ティーン?


さっそくむっちゃ掃除を始める。

よく見たら厨房全てがピカピカに磨かれている。


あの、丸顔店長…!素晴らしい…!

この店を変えたのはアナタですか…!

握手を、ぜひ握手を…!


そんな目線を送る。


しばらくして店長は後ろに引っ込んだようだが

またちらっと現れたときには私服になっていたので

どうやら帰宅したようだ。


夜勤坊主ティーンたちよ…!

日本にチップという制度があれば

快く配ったぞよ。いやまじで。

近くにコンビニあったら飲み物の一本でも渡したい…!


そして来客がまた一人増えた。


坊主の一人は黙々とラーメンを仕上げている。


私は生まれて初めてご飯をおかわりし、残ったスープに打ち込む。


くそ…!汁の全てを飲み干したのは

米をぶち込んだのはお前が初めてだぞ…!

残りの汁と米のハーモニーを噛みしめるように味わう。


さらに中国人の客が6名ほど入店してきた。

…っらっしゃいやせっ!

という爽やかな掛け声。


まずいなんて触れまわってごめん。

まじでうまいじゃないか。


店長!この店を救ったのは店長だよ!

感動した!ワタシ、また通うよ!通っちゃうよ!

替え玉しちゃうよ!追加トッピングしちゃうよ!



…という小話をそのラーメン屋の駐車場で書いている。





ごちそうさまでした。

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