乳肉昇天(最終章)

乳肉昇天


私達は舞台ごと小部屋に運ばれた。小部屋は大広間の隣にあったようなのだが、一体何処にこの小部屋への扉があったのだろうと私は首を傾げた。金獅子姫役などの女達が、いつしかいなくなっており、部屋には私とスミレと光(そして各々の椅子)だけがいた。スミレは白薔薇姫の衣装を脱ぎ、素肌の上にシルクの薄布を、天女のように掛けていた。

「とても楽しかったわ」

私が喜んでいると、スミレがこっちにいらっしゃいよ、と言った。私はスミレの椅子に靴を脱いで上がった。スミレの椅子は私の椅子より大きく、数もたくさんで、いつしか八体の椅子が用意されていた。それらはスミレ専用らしく、一つ一つが大きな体格をしていた。

私がスミレの椅子に上がると、スミレは私をむぎゅーっと抱いた。スミレの体は柔らかい肉に包まれているので、まさに、むぎゅー、といった感触だった。それは私の知らなかった触り心地で、肥満した女の肉の気持ち良さに、私は暫し陶然とした。

「やっと二人きりになったのね、芙蓉ちゃん」

「えっ、だって、そこに光さんが ……」

「馬鹿ね。光さんは夢見女館の従業員で私達はお客さん。その間には深い谷間があるのじゃないの」

それはそうだ、と私はスミレの言葉に納得した。よくよく考えてみれば光の行動は、夢見女館の従業員としては当たり前で、その一挙一動にドキドキしている私の方がどうかしているのだった。私は自分の行動を思い返して、少しばかり落ち込んだ。

「それよりも客同士で愛し合う方が自然よ」

そういうスミレの隣で、光が私の服に手を掛け、私の白のブラウスを脱がし、ブラジャーを外し、金色のベルトを外し、桃色のズボンを脱がしていた。私は光の脱がし方の上手さに、ただ感心するだけだった。そのまま、私は光にするするっとショーツを脱がされた。裸になった私の全身には、軽い湿疹が浮き出ていた。

「ああっ! 芙蓉ちゃん、興奮しているのね!」

私はスミレに優しく抱かれた。スミレの胸はまさに初雪のように白かった。私のほんのり赤い肌が、スミレの肌の白さを一層際立たせた。

「あっ」

後ろから光が私のクリトリスを弄った。私の体は先程のショーで興奮し、性器はお漏らししたみたいに濡れていた。光は私のお尻を左手で揉みながら、右手を私の性器に押し当てた。

私はスミレの唇に吸い付いた。スミレの唇はもっちりして、その口の中の歯茎はぴちぴちしていて、とても良い具合だった。私とスミレは舌を絡め、唇を吸い、瞳で語り合った。スミレの瞳はいつもと違って、少し不安そうな輝きを帯びていた。私はスミレが安心するように、目で微笑んだ。

光の指が私のヴァギナへと入ってきた。指は一本、二本と増えていき、親指が挿入された。

「うっ!」

私の体の中へ光の手が力一杯入ってきた。光の手は私の体の中でゆっくりと動き、ゆっくりと出て、再び入ってくるのだった。

「うう ……」

私は女性の手が入ってくる感触を初めて味わった。光の手はとてもスムーズに私の体内で動き回った。私は体の奥の方まで光に貫かれ、体を串刺しにされているように錯覚した。

私はスミレの唇から口を離し、少し下に降りて、スミレの乳首を吸った。スミレの乳首を私の口の中に入れ舌で転がすと、スミレは非常に喜び、再び私を、むぎゅー、と抱きしめた。私の顔はスミレの胸の肉の中に埋まった。

女の肉とはなんと素晴らしいものなのだろう。私の顔と体は、スミレの肉の中に埋まっていった。弾力のあるスミレの素晴らしい肉体に包まれ、私は幸せな気分だった。私は夢中になってスミレの乳房を吸った。

むぎゅー。

私の鼻と口はスミレの乳肉に埋まり、次第に息苦しくなっていった。私はスミレにそれを知らせるべきか、この柔らかい肉に包まれる快楽に身を委ねるべきか、薄らいでいく意識の中で、悩んだのだった。


< 終 >

1999/04/08脱稿

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夢見女館(1998/04/08) 藤間紫苑 @fujima777

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