王国首都のパレード(路地裏)
「このタイミングで
「だからといって、放ってはおけまい」
「イヤだゼ、突入したら建物ごとドッカンとかヨ」
「だからこそ、お前の出番だ、オウル」
「けっ、こんなときばっかアテにされてもサ」
というやり取りがオウルと
「おいおい、おたくら
「急だったのとほかにも出動が重なったものでして。それで、応援に来てもらえまいかと……〈
「しょうがねぇナ」
なんだかんだ言っても、口は悪いが
呼んでおいてなんだが、まさかこんなに若いとは……と自分も
「援護はいいけどヨ。
言いながら、腰のホルスターから
「
「ああ、
憲兵隊員が珍しいものを見るようにして言ったのに対してオウルがそう応じた。憲兵隊員は建物のクリアリングをはじめるため、ドアをゆっくりと開きはじめた。
* * *
「王国の
「そうすれば、お父さまとお母さまは助かるのですね?」
「ああ、約束する」
少女とそんなやりとりの後、男たちは建物を後にした。
その中のひとりにアレクサンドル・コドロフもいた。
今日のアレクサンドルの
あの高地の戦いの後、負傷しつつも帰還したアレクサンドルにさらなる災難が待っていた。
どうやら戦死した政治将校の身内に軍の有力者がいたらしく、つつがなく任務を完了したハズのアレクサンドルに「味方を見殺しにした」だの、「
共和国陸軍の将官である
「まあ、何事も経験だ。こういった任務の経験も
「あの娘の両親は、本当に助かるのか?」
現地エージェントのひとりにアレクサンドルは
「そんなことより、自分たちの心配をしたほうがいい。王国の連中、だいぶ近くまで
男は、それどころではないというように言った。
世の中が、
* * *
「花売りの少女……ってワケじゃあ、なさそうだナ」
少女は王国で見かける花売りが身につけている、
だが、日中の
オウルは「まあ、落ち着けよ」と、目の前の娘に語りかけながら、左手で
そして、右手の
「お父さま、お母さまどうか……」
少女は小声で何かつぶやきながら、
憲兵隊員たちがざわめき、
「
オウルは声に出して言い。
憲兵隊員たちを
「まあ、待てよ。
部屋は
少女の左手が、右手に伸びていった。
「ちっ、
アウィスは、
少女が
「お見事!」
そして、ひとりがオウルに声をかけた。
少女は抵抗しなかったので、武器と自爆用の爆薬がないか身体検査された後、左手の止血処置をされていた。
「聞いたようなことを言うな!! こんな
オウルは妹弟子のリーゼロッテと大して変わらないような年齢の少女を見ながら、
誰に向けるともなく腹の底から込み上げてくる怒りに、その身を
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