王国首都のパレード(塔の最上階)
パレードを見下ろす、とある
テーブルの上には
その小銃は王国陸軍一般兵士に支給される、いわゆる
昨今の事情から言えば、旧式の部類に入るボルトアクション方式のものだ。つまり、一度射撃する度にレバーを引いて
小銃上部のレールには、あまり倍率の高くない
外部からの発見を避けるため窓から
不潔ではないが、特に身だしなみに気をつけているとは思えない。長くも短くもない黒い髪も、粗末な
しかし、一見細身に見える肉体、二の腕の筋肉は無駄がなく引き
薄暗い室内の中、もう一人、背の高い、
窓際だが外部からは陰となり見えない位置で、手にした双眼鏡を構えている。群衆をはじめ、周囲の建物の窓や屋上に目を光らせたままの姿勢で、
「世が世なら、オマエもアチラ側だったろうにな……」
独り言のように口にするが、
真剣な表情のまま、眼下を通り過ぎるパレードの車列を見るともなく見送り、周囲の建築物で
肩には無駄な力は入っておらずリラックスしている。必要とあらば即座にボルトを引き、射撃に入ることができる状態にある。
そのとき、独特な拍子を取るノックがした。
オウルがドアに忍び寄る。
「お
若い女の声を確認してからオウルがドアを開くと、妹弟子のリーゼロッテが音もなく部屋に入りドアを閉じた。
「オウル、お
「おいおい。なんでアウィスが兄さまで、俺は呼び捨てなんだヨ。俺のほうが兄弟子だろうが!」
リーゼロッテの言葉の前半と後半でぜんぜん
「では、リロが?」
「はい。あたしがオウルの
リーゼロッテによると、
「そうか。
「うん。お
昔から、遠距離射撃はアウィスだったが、近接戦闘ならばオウルに
ちなみに、リロことリーゼロッテは弓が
銃器の時代に弓かと思うかもしれないが、音も光も煙も臭いも発しない弓には、弓だけの使い
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