うっかりさん
小学一年生の息子の登校準備に追われる朝。
連れが、カピカピの名札を差し出して言う。
「うっかり、また洗濯した。ごめん……」
息子が叫ぶ。
「もう、お父さん!気をつけてよ!」
そうだね、でも君も忘れず名札外そうね。
お母さんも気を付けるね。
「いってきます!」
ドアを開けようとする息子を止める。
「マスクは?」
「忘れた!」
マスクを差し出し、再び送り出そうとしたところで、息子が叫ぶ。
「お母さん、水筒!」
「あ、忘れてた!さすがリュウくん!」
水筒を渡し、息子と一緒にチェック。
帽子、名札、ハンカチ、マスク、水筒。
よし!いってらっしゃい(*^^*)
前の日。夕飯の席で、私と連れがお互いに記憶力の低下を自慢していたら、息子も会話に入ってきた。
「僕も、すぐ忘れちゃうよ!困るね~」
私は言った。
「お父さんが一つ覚えて、お母さんが一つ覚えて、リュウくんが一つ覚えてたら、三つ覚えてられるよ。みんなで頑張ろう!」
そんな、うっかりさん達。
ふと、思ったのですけれど。
世の中の人が皆うっかりさんだったら、世界はちょっとだけ、平和にならないかしらねぇ(*´-`)
不器用賛歌 プラナリア @planaria
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