ラスティラーゼと青年

「おーい、こっちこっちぃ!」

あたしが起きたのは多分うるさいその声のせいだ。

気持ちのいい昼だったね。だからベランダでうたた寝していたんだよ。そしたらねぇ・・・少年ではないが、大人でもない間の声が聞こえてきたんだったなぁ。人間どもはその年の人間を青年と呼ぶそうだからね。ミレヴィの森でもそう呼ぶことに決めたのさ。

背はあたしより少し低かったっけ。トーレヴは国王が銀の王と呼ばれてるだけあって国民もみぃんな銀色の髪の毛だったね。あの青年もそうだった。銀色の髪の毛に、翡翠色の目。その目を見ていると、吸い込まれる気がして、あたしはあまり好きじゃなかったんだ。

ただその日は心地よくうたた寝していたのをおこされてイライラしてたんだろうね。あたしは冷静な判断を下せなかったな。話しかけてしまった。

馬鹿だねぇ、今思うと。

「あんたら、うるさい。ここが誰の森かしってんのかい?」

そーいうとあんたらはキョトン、と首をかしげてから

「おねーさんは魔女役の人なんだ?」

なんて。役もなにもあたしは時を司ってる魔女・ラスティラーゼだ。おかしくて、笑えてしまったらねぇ、あんたらはあたしをおかしなものを見る目をして逃げたっけな。そんときにあんたがこっちを見てなかったら、あたしはいまこんなことにならずにすんだんだろーねぇ。まぁいいよ。あんたは悪くない・・・。

なぁマリアゼ。あたしがこんなことになってんのは、あんたに※したからだよね。

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魔女と人の恋物語 雪月華@33331111 @33331111

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