第623話 「紹介Ⅱ-Ⅲ」

 テュケ


 アメリア・ヴィルヴェ・カステヘルミ


 テュケのトップ。 ウルスラグナで肉体を喪失し、アーヴァと言う少女の肉体を奪って使用している。

 体勢を立て直す為に本拠であるオフルマズドで過ごしていたが、早い段階でまた出発するつもりだった。

 理由はウルスラグナでの活動基盤を始め、アラブロストルへの窓口も失い、国家間どころか大陸での活動基盤に深刻なダメージを負っていた為、その穴埋めを行う必要があったから。


 出発しようと考えていた矢先にオフルマズドでの不穏な事件の調査に時間を取られ、オラトリアムの襲撃時に居合わせる事となった。

 様々な研究を行っていたが、得意分野は魔導工学――要は魔法道具の開発。

 銃杖、転移魔石、魔導外骨格、天使像とアイテム関係の開発に長けていた。


 保身にも長けており、常に逃げ道は確保しておくタイプだったが、行動をヴェルテクスに読まれた結果、殺されてしまった。 死亡。


 

 飽野あきの 李帆りほ


 転生者。 聖堂騎士(異邦人)としての肩書も持っていた。

 好きな事になると早口になって、ついでに長くなるお喋り女。

 立ち位置としてはアメリアの助手兼友人。 性格的にとても噛み合っており、仲はこれ以上ない程良好。

 

 アメリア同様に保身に長けてはいたが、動きをヴェルテクスに読まれ殺害される。 死亡。



 十枝内としない 曳子ひきこ 


 転生者。 イソギンチャク人間。

 年端もいかない少年に異常なまでの愛情を注ぐ変態。 本人曰く純粋な愛らしい。

 戦闘時、全身の触手を使って相手を拘束し打ち据えるといった戦い方を得意としていたが、戦闘経験の浅さと相手が格上だった為、歯が立たずに量産型ザ・コアⅡの砲撃の前に消えた。 死亡。

 

 余談だが、仮に人質が居なかった場合、寿命は数十秒伸びたが結果は変わらなかった。


 

 大日だいにち 耀司ようじ


 転生者。 蜥蜴人間。 リザードマンは居るには居るが似て非なる者。

 フィジカル面では転生者の中では上位に位置する頑強さを誇ったが、空間ごと捻じられてはどうにもならなかった。 死亡。


 

 グノーシス教団


 ワイアット・イーライ・レオ・マーベリック


 第八助祭枢機卿。 教団がウルスラグナから手を引く事になったので、地位を剥奪され処刑される予定だった。

 死を前にして悟った彼は命と引き換えに第八に存在する辺獄の領域「バラルフラーム」と魔剣の封印に挑み、辺獄の大地に散った。 死亡。


 バラルフラームでの戦闘中に高位の天使を降ろしていたが、本来なら適性が足りていないので消滅して死ぬだけなのだが、辺獄と言う場所では肉体は同様に消滅するが短い時間だけ一種のエネルギー体として活動可能。 辛うじてではあるが権能の使用も可能となる。



 アイザック・ジョン・オーエン


 聖堂騎士。

 武者の極伝(超々劣化版)の攻撃を死力を尽くして防ぎ、仲間を守り切ったが自分は守れずに死亡。

 本来は魔剣を封印する役目だった。

 使用していた大盾「純白の盾」は現在マネシアの手に渡っている。


 防御に絶対の自信があり、真面目で職業意識の高い男だったが、相手が悪かった。



 ランドン・エズラ・リーガン


 聖堂騎士。

 経験も豊富で立ち回りも上手く、リーダーシップも発揮できるバランスのいい万能騎士でバラルフラーム戦に参加したグノーシス教団側の聖堂騎士の中では一番強かったが、相手が悪く碌に活躍できないまま斬首された。 死亡。


 

 リリアン・レア・ペネロペ


 聖堂騎士。

 若く経験の浅い事もあって、血の気が多い。 自制が下手なので何かあると直ぐに噛み付くゼナイドの下位互換でマルスランの同類。 バラルフラーム行きもマーベリックから高確率で死ぬかもと前置きされているが、先達のリーガンやオーエンもいるし大丈夫だろうといった楽観があった、

 本当の参加動機は自分の経歴に箔をつける為。 バラルフラーム戦に参加した聖堂騎士の中では一番の雑魚。

 功を焦った結果、ささやかな野心と共に両断された。 死亡。



 ジョゼ・オルティース


 強くて美人なクリステラ様のファンから、教団の都合でしか動けない人形女のアンチへと生まれ変わった性質の悪い粘着ストーカー。

 ゲリーベでの惨劇の後、奇跡的に生還した彼女はしばらく呆然としていたが、教団への奴隷根性だけはしっかりと根付いていたので王都を目指し、その途中に撤退中の審問官一行と出くわして国外へ。

 その後、アイオーン教団はグノーシス教団を乗っ取って我が物顔で居座り、クリステラは教団を売った売女と囁かれ続け真実()に覚醒。 ついでに怪しい装備を支給され、怪しい手術を受けて強化されてそれなり以上に強くなったが戦い方が能力頼りの力押しになったので、寧ろ技量は落ちていたりする。


 色々頑張り()はしたが、人形女に歯が立たなかった。 死亡。


 

 バイロン・チャド・アート・エイブラハム


 第三司祭枢機卿。

 オフルマズド担当で、近隣にある辺獄の領域「アーリアンラ」の監視も任務に含まれていた。

 当初は反応がなかったので落ち着いていると考えていたが、ザリタルチュの氾濫に合わせて再調査。

 結果、既に攻略され魔剣が持ち出されている事を悟る。

 

 何とか国王に魔剣の引き渡しを求めたが相手にされずに追い返された。

 その後、オラトリアムによる侵攻が始まったのでうやむやのまま戦闘に巻き込まれ死亡。

 尚、侵攻がなかった場合、ある理由から何とかして魔剣を盗み出すつもりだった。



 エドゥルネ・ジュラ・パール・ノルベルト

 

 第三司教枢機卿。

 エイブラハムの同僚でオフルマズド担当。 ジネヴラと同様に「寛容」の権能使いだったが、適性が低くはっきり言ってまともに扱えていなかった。

 「寛容」の権能はその名の通り、権能に対する適正が低くても大抵の者に扱える為、彼女も使用していた。 マーベリックがこの天使を召喚したのも同じ理由。

 だが、美徳系権能に対する適正が低い彼女では相性が悪く、皮肉な事に大罪系権能に対する適正が高かったので後から強引に移植された「憤怒」は高い水準で扱えていた。


 死亡原因は肉体の限界もあったが、権能による自滅が大きな要因だった。

 これは教団の洗脳教育の結果、感情面での成長が未熟だった事で権能を操り切れていなかった事が最たる理由。 死亡。

 


 パウリーナ・ピア・シーヴ・ランヒルド


 第三助祭枢機卿。

 知らない内にオフルマズドが滅んでおり、担当地域が消滅していた可哀想なおばさん。

 地位を剥奪され、ついでに聖剣、魔剣消失の責任も取らされそう。


 剥奪を免れる為にある仕事を依頼されたが――



 アレクサンドル・イエルド・イエオリ・ヴァルデマル


 第一司祭枢機卿。 本国担当で司祭枢機卿の実質トップ。

 何か色々と知ってそう。


 

 チャリオルト


 ラーヒズヤ


 剣客。 第六までの轆轤チャクラを操れ、戦闘経験も豊富でチャリオルト水準では強い方。

 外部から現れた男に最後の希望を託したが、託す相手を致命的に間違った上、娘を洗脳されてその娘に細切れにされた。 死亡。


 

 カンチャーナ


 奴隷女。

 チャリオルトの自業自得の産物にして滅びの象徴。

 恐らく世界でトップクラスに「色欲」を操れる逸材。 運悪く効果のない何かと出くわさなければアラブロストルとエンティミマスは支配下に置けたかもしれない。


 効果のない何かと対峙してしまい首を刎ねられた。 臭かったらしい。 死亡。


 尚、奪った「色欲」はびっくりする程、使えなかったらしく現状では出番はなさそう。



 その他。


 筥崎はこざき わたる

 

 転生者。 詳細不明。

 転生前から予知や予言と言った何処かからの謎の情報をヴィジョンとして受け取っていた。

 本人曰くPSIやESPと呼ばれる超能力の類らしい。

 

 主人公との取引で知識を授けた。



 ?


 飛蝗の転生者にして辺獄種。

 在りし日の英雄と呼ばれる最強クラスの辺獄種で、戦闘能力では他の追随を許さない。

 仲間を愛し、世界を愛した英雄。


 九曜ナヴァグラハ――極伝と呼ばれる彼等が用いる九種類の技にして轆轤技術の究極。

 使用には■■を司る第七轆轤サハスラーラ・チャクラの使用が前提となる技で、完全に使いこなす事が出来れば聖剣や魔剣ですら問題にならない力を発揮する。 失われた時の中で、滅びの運命に抗う為に人が編み出した反逆の牙――その一つ。


 本来であれば刀剣を用いて使用するが、ある者は素手でも扱えるように独自のアレンジを加え、自分の物として昇華した。


 「虚空蔵菩薩ガガナガンジャ」――極伝の一つ。 本来は狙った物だけを相手に知覚する間もなく切断する神速の居合。 その為、どんな防御もすり抜けるので躱さないとまず死ぬ。


 改――打撃用にアレンジされた結果、全てを置き去りにする神速の打撃と化した。 ただ、刀剣を用いていない事から力が逃げるらしく、接触時の余波と留まらずに対象を抜けた威力で周囲が消し飛ぶようになった。


 「電光」――蹴りの方が強いのはその名が示している。



 ?


 当世具足を身に纏った武者の辺獄種。 鎧は仲間の転生者がデザインして彼に送った特注品。

 死後も身に付けている事から相当気に入っている模様。

 在りし日の英雄の一人。 英雄の名に相応しく、極めて高い戦闘力を誇る。

 戦友を愛し、国を愛した英雄。


 飛蝗に極伝を伝授した張本人。

 彼にとって、飛蝗の転生者は人として尊敬する戦友であり、技を託した弟子でもあった。 

 ちなみに飛蝗との初対面時は傲慢な男だったが、戦って負けた後に丸くなった。

 尚、当時の飛蝗は我流で第七轆轤へ手を掛けてはいたが、極伝も使えなかったので極伝を扱える武者に勝てる訳はなかったのだが――


 魔剣サーマ・アドラメレク――彼が守っていた八番目の魔剣。

 展開上、主人公に最初に入手させる筈の魔剣だったが、既出の全魔剣中主人公と最高の相性を誇る代物だったので入手が流れた。 持っていたら謎の存在()の介入がなかったとしてもライオンに勝てたかもしれない。



 アムシャ・スプンタ


 オフルマズド王。 転生者。

 本名は別にあるが、王位を簒奪した際にこの名に改めた。

 聖剣エロヒム・ザフキの持ち主。 正規の手順で選ばれたので、機能を完全な状態で使用できる。

   

 身に着けた全身鎧の付加能力もあり、戦闘能力は作中でも屈指だったが、謎の存在と魔剣フォカロル・ルキフグスの乱入により敗北。 特に悪い事はしていなかったが、アメリアの巻き添えで襲われた。 死亡。

 

 

 アール・ジェル・ダグラス

 

 オフルマズドの農政将軍。

 経験は浅いが立場に見合った責任を果たし仕事を頑張っていた。 襲撃の際サベージに美味しく頂かれた。 あどけない顔立で変なお姉さんには大変評判が良かった。 死亡。


 

 ケイレブ・カールトン


 オフルマズドの防衛将軍。

 堅実に仕事をこなすそれなりに有能な男であったが、実力が足りず主人公と出くわして細切れにされた。 死亡。


 

 レベッカ・シエラ・スペンサー


 オフルマズドの攻勢将軍。

 オフルマズドの水準では実力者だったが、大陸の水準だと大した事はなかったりする。

 ハリシャを数に物を言わせて袋叩きにして追い詰めたが、ダメだった。 死亡。

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