言葉の一つ一つが絵を構成するための絵の具のよう。二人が織り成す美しい物語をどうぞ。
現代とは少し違う様子の世界で、ひとりの少年が海を訪れます。そこには、まるで魚のように生き生きと泳ぐ一人の少女が――。どこか諦観すら感じる静かな筆致で、少年と少女のひと夏の出会いを描いたお話です。太陽の煌めく海岸で、少しずつ明かされる2人の境遇と、そして、想いとは。近未来物のSFがお好きな方、抑圧を感じている少年少女のボーイミーツガールがお好きな方、是非ご一読を。醒めているようで、熱いお話なのです。
二話まで読んであまりに良かったので、途中ですが星三つ。私はこの作者様の描写がすごく好きで、それが最も良い形で表れている作品の一つではと思います。海の描写が素晴らしい。ストーリー展開もいい。いいなあこんなふうに書けて、でも絶対真似できないな、と思わせられる個性です。かっこいいのです。完結前にレビューはあまり書かないのですけれど、今回は特別です。