叫びの星

100 考察

　ロスタイルデ三兄弟は、半ば強制的にアザゼルたちに協力する形となった。

　火星地下都市から発掘された魂紋採取機に残っていたミカエルの魂紋から、ミカエルの所在は特定することができた。

　魂紋が持っている特有の周波数を探知機にかけることで、その特定の波長が今現在どこから発せられているのか特定することができる。

　しかし問題は、エアと火星、地球を滅ぼしたミカエルの協力者が別に存在することだ。断言はできないが、恐らくそれは、ポロと共にルナ計画に携わったメネドの仕業と思われる。

　ミカエルの協力者が何人いるのか、どこにいるのかを明確にすることができない以上、無駄に月に攻め込むわけにはいかなかった。

　2031年、小型宇宙戦艦　第一号機、クロノス完成。

　外在化した公寿郎達によって編成される月面牽制部隊の戦闘能力も、日々の訓練によって底上げされ、実戦に耐えうるレベルまで引き上げられていた。