81 思い出すから

「あれ?! え…」

 目が点になっている乃希。


「皆、久しぶりだな。覚えている人もそうでない人も」

 白銀長髪の男が言った。

「またですか… 毎回毎回、突然すぎますよ。ここに呼ぶなら呼ぶで、前もって言ってくださいよね。ほら」

 その男子は乃希と公寿郎を指差した。

「こんなにびっくりしてるじゃないですか。こっちは慣れたもんだけど、相手の身にもなってあげてくださいよ」


 白に近い金色の髪。派手だな。年は自分と同じくらいか。公寿郎は思った。


「さてと、思い出してもらわないと始まらない」

 そう言うと、くせ毛の黒髪男子が眼鏡の真ん中を指で抑えながら公寿郎に手招きした。

 公寿郎は振り返り、白銀長髪の男の顔を見ながら黒髪男子を指差した。白銀長髪の男は頷いた。

 一歩一歩、歩を進める公寿郎。

 乃希は不安そうに公寿郎に走り寄ると袖をつかんだ。

「何が何だかわからなくて、不安だろうけど、大丈夫。今思い出すから」

 そう言うと黒髪男子は、公寿郎と乃希の前に立ち、二人の頭に手をかざした。

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