76 宿願
メネドも何かを呟き始めた。
自分たちは詠唱せず、彼らの指揮に専念するはずではなかったのか?
この計画を早く成し遂げたいという想いの現れなのか。
メネドの行動に違和感を覚えるポロ。
「おい。どうし…」
メネドは呟くのをやめると、ポロの方に向き直り手の平をポロの頭上に向かってかざした。意識を失いその場に倒れこむポロ。
ポロの体を異空間の随所に滲みだしている黒紫色の粒子が照らす。
再びメネドは呟き始める。
流れを変え逆流し始める魔力の奔流。魔術師たちに向かって流れていく魔力の大きな流れが逆戻りしていく。
機械によって生み出された魔力や磁力、重力も、逆流した魔力が向かう方向へと吸い寄せられていく。
どよめくエンジニアたちと魔術師たち、狼狽が異空間を満たしていく。
メネドの笑い声が異空間に響き渡る。メネドの心を喜びが満たしていく。
「エル族は永遠だ」
誰にともなく、メネドは言い放った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます