2.私は不死身である。

むかし、命を断とうとした事がある。疲れていた。数知れず、見たら死ぬという画像を見た。信じられるだろうか。

五人に送らないと死ぬ、というチェーンメールを放置した事もあった。


 私は生き残ってしまった。自分を激しく罵った。やがてあるものにたどり着いた。聞いた者が自殺する曲。

 カールマイヤーである。


 だが、運命は甘くなかった。命の鼓動が止まることはなかった。死神が、またしてもひれ伏したのである。


 私は泣いた。

 泣いて、泣いて、そして藻掻き苦しんだ。しかし、苦しみの螺旋は終わった。コンビニ。鏡に、観音様が映っている。

 しかし、そこには私しかいなかった。


 私は悟った。

 死んではいけなかったのだ。死ぬほど生かされていた。私は仏だった。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る