淡々としてシニカルさも感じさせる独特の語り口で展開する物語。
バラバラとばらまかれるように現れる、細い線でしかつながらない登場人物たちが、パズルのピースのように次第に収まるべきところに配置され、一本の物語を織り上げます。
タイトルに冠された傭兵という語から「血みどろの戦闘が繰り返される殺伐とした戦場」などを思い浮かべたなら、全く裏切られるでしょう。
死人は出るには出ますが、人物の行動がパズル-今度はスライド式のパズル-のように一手一手連鎖し、状況を組み上げて結論まで導いていきます。
まるで物語の形をしたパズルと言ったところでしょうか。