エピローグ.うちのもふもふこそが最強!
「お姉ちゃん、今日もVRゲームなのー?」
待ちに待った夏休み、今日の分の宿題を終えてゲームを始める前に水分補給にきたら、妹の立華と遭遇です。
「そうなのですよ、立華。そういうあなたも毎日ゲームじゃないですか」
最近は立華のほうもゲームで忙しそうにしていて、日中はほとんど顔をあわせないのですよ。
まあ、お互いに午前中は夏休みの宿題をやっていることが多いので、その関係で顔をあわせることもありますが。
「私もいろいろやってるからねー。先輩たちに迷惑もかけられないし?」
「ボクだって似たようなものなのです。最近は夏休みに始めた新人さんがギルドに入ってきて、いろいろと物入りになっているのですよ」
「へぇ、そうなんだー。やっぱりそういうのって忙しいの?」
珍しいことを聞いてきますね。
この手の話が忙しいのはどこでも一緒だと思うのですが。
『草原の目覚め』でもシフトを組み直すのが大変だってアサカゼさんやセフィさんがてんてこ舞いでしたから。
「それなりに忙しいのですよ。立華のほうではそういうのはないのですか?」
「私のほうは新人お断りの身内クランだからねー。新人が増えて大変とかはないんだよー」
「そうなのですね。うらやましいような、そうでないような」
人が増えないのってどうなんでしょうね?
ガイルさんに言わせれば、人が増えないと活発化しないからダメだって言いそうなのですが。
「……お姉ちゃん、そろそろ行かなくていいのー?」
「はっ、そうだったんだよ。そろそろ行かなくては。立華も晩ご飯の時間までには戻ってくるのですよ!」
「はーい、また夜にねー」
ボクはコップに注いであった麦茶を一気に飲み干して、自分の部屋に戻ってきました。
このあと待ち合わせもありますし、あまりのんびりはしていられないんだよ。
「さて、それではゲームの中に行くんだよ!」
―――――――――――――――――――――――――――――――
「あ、来たわね、リーン」
「お待たせなんだよ、サーシャ」
待ち合わせ場所にはすでにサーシャが来ていたんだよ。
ここは、アインスベルを一望できる丘の上。
街を出てぐるっと回ってこなければたどりつけないから、結構めんどくさいんだけどね。
「予定時間よりもかなり早くなったけど、準備は大丈夫かしら?」
「大丈夫なんだよ。それにしても、ボクたちも強くなったものなんだよね」
いまの基準で行くと、課金アイテムなども併用すると1カ月ほどでたどり着くらしいのですが、ボクたちはそこまで急いでいたわけではないですからね!
「そうね。春休みに始めた頃に比べればかなり強くなったと思うわ」
「ですよね。ボクのモフモフたちも立派に成長しているのですよ」
夏休みに入るまでの成長で一番変わったことは、やっぱりパートナーたちの進化でしょうか。
今まで以上に立派な姿になった子もいれば、かわいらしさに磨きがかかった子もいます。
でも、どの子もボクのパートナーには変わらないのですよ!
「そうね、あなたのパートナーも大分進化したわよね。シズクは相変わらずシーズーのままだけど」
「シズクちゃんはこれが最終形態なのでかまわないのです。ユエさんに聞いても、レベルカンストまで育てた結果、見た目の変化はほぼないって言ってましたし」
ユエさんはいろいろな伝手をたどって、四大魔法パートナーの進化系すべての情報をまとめ上げたようなのです。
その結果、やはり四大魔法パートナーは進化先にかかわらず、見た目の変化はほとんどないことが判明したのですよ。
わかりやすい見た目の差と言えば、戦闘中や飛行中に展開される翼の色や形らしいですね。
「うーん、私も四大魔法パートナーのどれかを買おうかしらね? ブレンのサポートアタッカーがほしいところなのよ」
「それならライトニングシーズーはどうです? ボクとは違う派生進化にするといいのですよ。いまなら大好物のワイルドストロベリーも食べ放題なのです」
「……そう、大好物の問題があるのよねぇ。ドライフラウ周辺で採取できるとはいえ、私は増やすことができないから手間だし。今度シーズーを買おうかしら」
「おお、それがいいのですよ。ふたりで主従飛行を使い空を飛びましょう!」
「それはそれで楽しそうね。……さて、そろそろ出発しましょうか。今日はエルブンシーまで海の上を散歩でよかったのよね?」
エルブンシーはアインスベルから海を渡った先にある、十一番目の街なのです。
海を渡る方法はいろいろなのですが、今回は自分たちで飛んでいくことにするんだよ。
「はい、そうなのです。やっぱり、海の上を飛び回るのは陸の上を飛ぶのとまた違った楽しさがあるんだよ!」
「わかったわ。付き合ってあげるから飛行用のパートナーを出しなさいな」
サーシャが呼び出したのは、もちろんドラゴンのブレンです。
最初はプチドラゴンでちっちゃかったブレンも立派な姿となり、雄々しいドラゴンになったのですよ。
「大丈夫です。ボクにはシズクちゃんがいますからね!」
そう、ボクはシズクちゃんと一緒に飛んでいくのです。
グリフォンのアクアに乗っていくのも悪くはないのですが、やっぱりシズクちゃんと一緒が一番なんだよ!
「はいはい。それじゃ、行きましょうか」
「オッケーなんだよ。それじゃあ、シズクちゃん。あーい、きゃーん、ふらーい!!」
ボクが海側の切り立った崖から飛び出すと同時、シズクちゃんが背中に回って翼を広げます。
主従飛行のスキルが発動し、ボクとシズクちゃんは風に乗って大海原へと飛び立ったんだよ!
「うん、やっぱりボクのモフモフこそが最強ですね!」
「なに言ってるのよ。さあ、スピードを上げていくわよ。どうせこの程度の速さじゃつまらないんでしょ?」
「もちろんなんだよ。さあ、行きますよシズクちゃん!」
ボクはシズクちゃんと一緒にぐんぐんスピードを上げていくのです。
さあ、これから先、どんなモフモフが待っていてくれるのでしょうか。
本当に楽しみですね!
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ご愛読ありがとうございました。
うちのもふもふこそが最強、これにて終幕になります。
最終章を残して長期間休載して申し訳ありませんでした。
今後の展開ですが
【うちのもふもふこそが最強】
リ メ イ ク し ま す 。
現時点で第一章を書いている段階なので、公開までもう少しかかりますが来週末くらいには公開できそうです。
現在公開している【うちのもふもふこそが最強】も旧版として残しておきますのでご安心を。
変更点とかいろいろは明日か明後日に近況ノートで書きますのでよろしくお願いします!
では、またなんだよ!
【旧版】うちのモフモフこそが最強! あきさけ @akisake
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