新しい従者
「とんでもなく疲れた。」
「お疲れ様です。」
「ハーブティーを貰える……?心を落ち着かせたいの……」
「畏まりました。少々お待ちください。」
ハーブティーを頼むと、メイドは直ぐに部屋から出ていった。
昨日から変な事ばかり起きている気がする。
「はぁ……。」
大きなため息をついていると、突然部屋をノックされた。メイドかな?
どうぞ。と返事をすると、すっと扉が開いた。
「シャルロッ……リヴェラ。ちょっとお前に話がある。今いいかな?」
「お父様!大丈夫ですわ。」
「昨日、あの……誰だっけ……あ、そうそう。メノウ嬢に絡まれたらしいじゃないか。」
「えぇ。まぁ……。」
「そして殿下に求婚されたね?」
「はい。とても迷惑な事に。」
「メノウ嬢は多分、殿下を取られた嫉妬で何をしでかすか分からないぞ。」
「あはは…そうですね。」
「コホン……うちの娘が何かされてからでは遅い。ということでお前に護衛の従者をつけようと思う。」
「えっ。あ、はい。え?」
これまた急だな。
「入ってきなさい」
お父様は少し大きめの声で扉の向こう側にいるであろう人を呼ぶ。従者……従者かぁ……。どんな人だろう。
「失礼します。」
入ってきたのは……。
ハッと息を呑む程のイケメン。
とても顔がいい。え、こんなイケメンが私の従者になるの?え?最高じゃない。サラッサラの空色の髪に、深い緑の目……。文句の付け所がないわ。
いやまて。待つんだ私……こういうのって大体この従者が敵側だったりするんだ。落ち着け私。メノウの手下の可能性もあるぞ……。
「……シリウス・ハレントです。宜しくお願いします。お嬢様。」
「シリウスはリヴェラ…シャルロットの小さい頃から一緒に居たのだが……。覚えている?」
「いや……」
え、
「はは、無理もない。シリウスはお前が物心つく前、この家から出ていったのだよ。」
「ちょっ、旦那様それは……。」
「あぁ、すまないね。言い方が悪かった。」
家から出ていった……逃げ出したのかな?私がやばすぎて。
それにしても2人で盛り上がるのはやめて欲しいのだが。
「シリウスはお前に―……」
「ああああっ!!!!旦那様!!」
顔を真っ赤にして叫ぶシリウス。突然大きな声を出すから驚いたじゃないか。
「すまない。からかいすぎたな。ではここで私は失礼しよう。じゃあねリヴェラ!!!愛してるよ我が娘!!」
最後までちゃんとしたお父様であって欲しかったなー……。惜しいぞ親バカ。
「……その、シリウス?取り敢えずおやつを持ってきてくれない?その内ハーブティーが来るから……。」
「えっと……畏まりました。すぐに用意致します。」
「……ふぅ。」
だいぶ落ち着いた気がする。…それにしてもシリウス、おやつのセンス良いな…。
チョコクッキーにジャムクッキー……。その他諸々私が好きなものばかりだった。
そんな事は置いといて……。
今の問題はノエルだ。絶対明日登校したらノエルファンクラブの皆さんとかご本人に何か言われる!!!主にファンクラブ過激派はやばい。
下手したら殺してくるかもしれない。命の危機だ。…でもあの時はノエルが悪かったよね!!うん!私悪くない!!!……多分。きっと。
「なにかお悩みですか?」
「えっ、えぇ。まぁ……その……そんな感じ…?」
「私でよければご相談にのらせていただきますよ。」
「大丈夫よ。ありがとう。」
「そうですか……?でも……」
シリウスが少し悲しそうな顔をした。
うぅ、そんな顔されたら……。
私美男子のその顔に弱いのよっっ!
ゔっ……。でも私がおかしい人だと思われたら嫌だし……。
「お嬢様……。」
「わ、分かったから!シリウスが知りたがるような事でもないわよ……?
実は―……」
「……そのような事でしたか…。
私めがいますのでご安心を。お嬢様を襲う輩がいましたら必ずやその者の息の根を止めさせて頂きますので。」
真顔で言うシリウス。
怖い。怖すぎる……目がガチだ。
「息の根は止めないで頂戴ね。」
「……それにしてもお嬢様……随分とお変わりになられて。」
「……えっ?あぁ。髪色も変えて…目の色も。驚いたでしょう?貴方の知っている“シャルロット”じゃなくて。」
くるくると髪を弄りながら私は笑った。
「……俺はどんな貴女でも……」
シリウスは俯きながら何かを呟いた。
「シリウス、今なんて―」
「私はこれで失礼致します。また何かありましたらお呼びくださいませ。」
ぺこりと頭を下げ、シリウスは出て行った。
…取り敢えず明日は厚めの布を腰に巻いておこう。
そう決意したリヴェラでした。
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更新遅れてすみません…
どうやら私は嫌われ者の様なので別人として過ごす事にします~なんか私に散々言ってきた人達が寄ってくるんですが~ 桜乃春妃 @where
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